■職能発揮の環境確立目指す
日本薬剤師会の新会長に就任した山本信夫氏をはじめとする新執行部が6月29日、記者会見し抱負を語った。山本会長は「1日に最初の常務会を開くので、その段階で各副会長、常務理事を含めて担当を決めるが、前執行部から残った人が半分、老人から青年、新人もいるという意味では非常にバランスの良い執行部ができたと思っている」と述べた。
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山本氏は、分業を取り巻く厳しい環境について「この2日間の定時総会で、会員を代表する代議員が、自分たちの仕事について、正当に評価されていないとの苛立ちの中で、分業バッシングをどう考えるかという質問が多かった。そういった意味では、私たちが国民、患者に知らしめていくことが大事」とし、社会の薬剤師・薬剤師業務に対する理解を深めたいとした。
その一方で、「(分業元年と言われる)1974年から40年間で、欲しかった夢が育ってきた。その過程で、本来すべきことが少し疎かになっていたのかもしれないという反省がある。本来、薬剤師、薬局が国からどう期待されているか考え直し、医薬品供給に関する全ての責任をしっかり考え、一歩でも二歩でも日本中どこでも薬剤師がきちんと薬を供給できる社会、体制に向けて仕事を進めていきたい」と決意を語った。
注目されている中央社会保険医療協議会委員の人事に関しては「2005年の段階で中医協委員の選任は、団体の推薦ではなくなった。相談があれば対応したい。なるべく新しい委員が、主張すべき点数、評価などをゆっくりした議論ができるよう、時間がある間に指名してほしい」と、意中の人物の言及は避けたが、なるべく早急な交代が望ましいことを示唆した。
さらに、中医協での審議において「エビデンスが要求されているので、材料を調えて使いながら、中身がある議論ができるように努めたい」と、なるべく理論構築した上で交渉に当たりたいとの想いを明かした。
一方、副会長に就任した5氏のうち、生出泉太郎氏は「数えてみたら理事の中で上から2番目になってしまったが、忙しい会長を精いっぱい補佐できるようがんばりたい」とした。石井甲一氏は「まさか出戻るとは全く思ってなかった。3年間、国会議員の秘書として、外から薬剤師会を見てきた。これまで旧執行部はがんばってきたが、いろいろな課題が残っている。新会長を中心に一つひとつこなしていくよう取り組んでいきたい」とした。
鈴木洋史氏は「病院の所属なので、薬局の会員との連携、最終的には在宅といったところまで考えていかなければならない。これから役割が決まるが、会長の意向に従って対応していく」とした。森昌平氏は「今は25年の医療・介護改革に向かって、薬局もより地域の中で役割が求められている。会長を支え、国民のために薬剤師が働ける環境を作っていきたい」と述べた。
乾英夫氏は「チーム山本の一員、副会長として会長をしっかり補佐し、日薬の業務を遂行していきたい。全ての薬剤師、会員のためできることはやっていきたい。特に若手の薬剤師が夢と希望、誇りを持って働ける環境を整備できるようがんばりたい」と、それぞれ副会長就任に当たっての感想と抱負を語った。