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健康チェックステーションを考える会、薬局血糖測定で「考える会」―業務マニュアル等を共有

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2014年06月25日 PM06:00


■地域の健康へ貢献目指す

薬局で血糖自己測定等の簡易検査を安全で正しく実施するため、北海道の薬局薬剤師等の有志が中心になって「健康チェックステーションを考える会」を立ち上げる。4月に厚生労働省が公表した検体測定室に関するガイドラインに対応するため、薬局で整備が必要な書類や準備等のオペレーションマニュアルを作成し、ノウハウを公開、共有するのが狙い。フェイスブックグループで全国の薬局薬剤師が情報を共有し、正しい測定サービスを提供できるよう啓発を進めることで、地域の健康に貢献したい考えだ。

考える会は、かかりつけ薬局を健康管理の拠点と位置づけた経済産業省の2012年度事業「健康チェックステーション具現化コンソーシアム」において、HbA1c測定機器を購入した薬局の継続的な取り組みを目指したもの。事業終了後も糖尿病予防に向けたスクリーニングを行うため、札幌市の二十四軒薬局の高市和之氏、元北海道薬科大学准教授の岡崎光洋氏が中心となり、活動に向けた準備を進めている。

特に厚労省のガイドラインでは、検体測定室を開設しようとする薬局に届け出を求めているほか、測定に当たって受検者から承諾書をもらうことや感染防止対策委員会の設置、定期的な内部精度管理、受検者の急変時対応、標準作業書の作成等、膨大な書類の整備が必要とされている。

考える会は、これら全ての書類を薬局単独で揃えるのは難しいと判断。承諾書の見本をはじめ、検体測定室の開設に必要な書類一式を作成。法的なチェックも済ませた上で公開し、全国の薬剤師に活用してもらいたい考えだ。岡崎氏は、「薬剤師が苦労する部分は書類作りではない。薬局の新しいサービスとして、地域の健康に何ができるかということに腐心してほしい」と話している。

検体測定室を開設した薬局の経験やノウハウを、フェイスブックグループで公開、共有していくことで、正しい血糖測定が行われるよう啓発も進めていく。そのため、考える会は血糖測定の「有料化」にこだわる。任意の活動であり、価格設定はそれぞれの薬局に委ねられるが、高市氏は「多くの薬局で糖尿病の予備群をスクリーニングすれば、医療費の抑制につながる。継続的に進めていくためには、薬剤師が適切なサービスを行い、それに見合った金額をもらうことが重要」と意義を話す。測定によって、受検者の行動変容を支援することが薬剤師の役割だと考えるからだ。

今後、地域の健康イベントで血糖測定を実施するためのノウハウも共有し、実際のオペレーションマニュアルを広く提案していく。来月には、札幌市西区の健康フェアでガイドラインに準じた血糖測定を住民に行う予定。この経験をマニュアル化し、共有することで全国の健康イベントでの活用につなげたい考えだ。フェイスブックグループで情報を共有しつつ、測定機器の購入者による勉強会の開催も予定する。

岡崎氏は、「将来の薬局の機能を考え、何ができるのかを考えたとき、このチャンスを生かして地域の健康への貢献に取り組んでいけるよう、一人でできない部分は応援していきたい」と話している。

高市氏は、「病気になった人に薬を出すのではなく、薬局をトリアージやスクリーニングといった医療サービスの上流にある存在にし、みんなで糖尿病の早期発見、医療費の節約に貢献していきたい」と意気込みを語っている。

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