第74回米国糖尿病学会年次学術集会で、有効性・安全性を示す新データ発表
ノボ ノルディスク社は6月14日、米サンフランシスコで開催された第74回米国糖尿病学会(ADA)年次学術集会において、GLP-1受容体作動薬「ビクトーザ(R)(一般名:リラグルチド)」の、中等度の腎機能障害を有する成人2型糖尿病患者を対象とした、新たな第3相臨床試験の結果を発表した。
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同試験は、ステージ3の慢性腎臓病を有し、経口糖尿病薬、インスリン製剤、経口糖尿病薬とインスリン製剤の併用で治療を行っている277人の多国籍の成人を対象に実施された二重盲検無作為化比較対照試験。
患者はビクトーザの最大用量1.8mg群またはプラセボ群に割り付けられている。26週投与し、主要評価項目はベースラインからのHbA1cの変化量、その他の評価項目はHbA1c7%未満の達成率、ベースラインからの体重変化量、腎機能はベースラインからのeGFRの変化量で検討した。
平均HbA1c値が改善、低血糖発現率も低い結果に
試験の結果、プラセボ群と比較し、ビクトーザ投与群で平均HbA1c値の有意な改善が確認されたという(-1.05%vs-0.38%;ETD(群間差の推定値)-0.66%[-0.90;-0.43]p<0.0001)。また、HbA1cの目標値である7%未満を達成した患者も、プラセボ群19.5%に対して、52.8%と多く(p<0.0001)、ベースラインからの体重変化でも有意な減少がみられている。ビクトーザ投与による腎機能の悪化はみられず、低血糖の発現率もプラセボ群に比べ低く抑えられたそうだ。
発現頻度の高かった有害事象は胃腸障害で、悪心、嘔吐、下痢、便秘が報告されている。その他の5%以上の有害事象は、腎機能障害(ビクトーザ5%、プラセボ5.8%)、通常は普通感冒と呼ばれる鼻咽頭炎(5%、1.5%)、頭痛(5%、2.9%)、リパーゼ上昇(15%、8.8%)および糸球体ろ過率の低下(6.4%、5.1%)となっている。(紫音 裕)
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・ノボ ノルディスクファーマ株式会社 プレスリリース