医薬品と素材の技術融合
帝人ファーマ株式会社は6月18日、止血・接着効果の高い外科手術用シート状フィブリン糊接着剤「KTF-374」の開発を推進すると発表した。同剤は、医薬品技術と素材技術を融合させた画期的な医薬品であり、外科手術における止血時間の短縮に貢献するものであるとしている。
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同剤の開発は、帝人ファーマ社と一般財団法人化学及血清療法研究所(化血研)が共同で取り組んでおり、今後、両者で日本における臨床開発の準備を進め、日本での臨床試験の状況を踏まえて海外展開について検討するとしている。
短時間で強力な止血効果
KTF-374は、化血研の有するヒト組換えタンパク質に、帝人グループの有する高機能繊維製造技術および医薬品製造技術を適用することによって創出した、画期的なシート状フィブリン糊接着剤。
近年、高齢化や診断技術の進歩に伴い、外科手術件数は年々増加しているが、手術中で止血に費やす時間がかなりの割合を占めており、止血時間の短縮が手術時間の短縮や患者の術中負担の軽減、予後改善、外科医の負担軽減などにつながり、手術成功の重要なポイントになるとされている。また、医療現場からは取扱いが容易で、より短時間で強力な止血効果が得られるシート状止血剤の開発が強く望まれているという。
同剤は、薄くしなやかな不織布を使用したシート製剤であるため、凹凸のある患部にも密着させることができ、短時間で強力な止血効果を発揮するという。さらに、患部に貼付したシートは生体に吸収されるため止血後に除去する必要がなく、また、開封後は直ちに使用可能であるなど、様々な特長を有していることから、幅広い分野で使用されることが期待される。(浅見園子)
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