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京大 マウスにmiR-33bを導入、動脈硬化治療法の開発に期待

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2014年06月23日 PM06:15

解明が求められていたmiR-33bとmiR-33aの働き

京都大学は6月17日、ヒトにしかないマイクロRNA-33b(miR-33b)をマウスに導入することで、これがHDL-Cを下げる働きがあることを初めて見出したと発表した。


画像はプレスリリースより

この研究は、同大学の尾野亘医学研究科講師、堀江貴裕同助教らの研究グループによって行われ、英オンライン科学誌「Scientific Reports」に6月16日付で公開された。

これまで、脂肪酸の合成とコレステロールの合成は、それぞれが特異的な転写因子SREBP-1とSREBP-2によって促進されることが知られていた。その転写因子のなかに存在するmiR-33bと、miR-33aの働きの解明が求められていた。

ヒトでのHDL-Cの質改善に期待

miRは、発生や分化の過程のみならず、心血管疾患の発症や進展にも深く関与していることが知られており、miR-33はマウスでは1つ(miR-33a)、ヒトでは2つ(miR-33a、miR-33b)存在する。同研究では、これまでその働きが不明だったmiR-33bをマウスのSREBP-1に導入することで、miR-33を2つ持つヒト化マウスを作成。これによりHDL-Cの著明な減少を認めることに成功した。

今後、同研究チームは、このマウスを用いて高コレステロール食、高脂肪食の影響を調べるとともに、動脈硬化モデルマウスとの交配実験によってその影響を確認する予定。miRの制御によるHDL-Cの質の改善と動脈硬化治療法の開発が期待される。(浅見園子)

▼外部リンク
京都大学 お知らせ

 

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