緑茶には、がんの予防に役立つ作用がある?
日本の食生活は健康に良いとして、世界から注目を集めています。その中でも緑茶には、がんを予防する効果があると、これまでにも色々な方面から指摘されてきました。ところが、緑茶がどのように働きかけることで、がんのリスクを低くしたり、がん細胞の成長を抑えたりするのかは、詳しくは解明されていませんでした。
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しかし最近、ロサンゼルス生物医学研究所の研究グループが行った研究によって、緑茶の働きが明らかになってきました。研究報告によると、緑茶に含まれるカテキンの一種である「EGCG」という物質が、がんと関係の深い酵素、LDH(乳酸脱水素酵素)の活動を抑え込むことで、膵臓がんのがん細胞のメタボリズムを変化させることでと分かったのです。
研究や臨床への応用が進むきっかけに
これまでは、緑茶の中の何かが、がん細胞の分子を攻撃すると予測されており、メタボリズムに働きかけるという発想はありませんでした。今回の研究では、膵臓がんの細胞に対して行われましたが、これによってメカニズム解析のきっかけがつかめたことで、今後急速に研究や臨床への応用が進みそうです。
私たち日本人にとっては、生活に密着した緑茶。健康にいいことが証明されると、何となく嬉しい気持ちになりますね。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
・Metabolic consequences of LDHA inhibition by epigallocatechin gallate and oxamate in MIA PaCa-2 pancreatic cancer cells
・Study explains how green tea could reduce pancreatic cancer risk