2018年度まで、5年間にわたるプロジェクト
独立行政法人国立がん研究センターは6月13日、次世代がん診断システム開発の始動を発表した。
画像はプレスリリースより
これは、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)における、体液中マイクロRNA測定技術開発事業に参画し、13種類のがんを1回の採血で発見できる次世代診断システムの開発プロジェクトに採択されたもの。プロジェクト名は「体液中マイクロRNA測定技術基盤開発」とされ、総事業費は約79億円(NEDO負担率100%)を予定している。
2018年度までの5年間にわたり、国立がん研究センターにおけるマイクロRNAの研究と中央病院、東病院で蓄積された臨床情報、そしてバイオバンクの検体活用などナショナルセンターの組織横断的な連携により推進されるという。
全く新しい診断マーカーとして期待されるマイクロRNA
次世代診断システム開発の対象とされる13種類のがんは、胃がん・食道がん・肺がん・肝臓がん・胆道がん・膵臓がん・大腸がん・卵巣がん・前立腺がん・膀胱がん・乳がん・肉腫・神経膠腫。
血液や唾液、尿などの体液に含まれるマイクロRNAは、がん等の疾患にともなって種類や量が変動することが近年の研究で明らかにされている。とくに抗がん剤の感受性の変化や転移、がんの消失等といった病態の変化に相関する血液中のマイクロRNAは、全く新しい診断マーカーとして期待されている。
プロジェクトリーダーを務める、国立がん研究センター分子細胞治療研究分野の落合孝広分野長は、プレスリリースで、
「国内のみならず、世界に通用する臨床情報とリンクした体液マイクロRNAデータベースを構築し、新しい診断機器・検査システム開発を実現したい」(独立行政法人国立がん研究センター プレスリリースより引用)
と述べている。(小林 周)
▼外部リンク
・独立行政法人国立がん研究センター プレスリリース