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国立大学附属病院長会議、国立大病院が透明性指針―診療科単位の総額開示へ

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2014年06月18日 AM09:54


■9月に今年度分を暫定公表

国立大学附属病院長会議は16日、製薬企業や団体等から受け取った資金状況を開示するための「企業等からの資金提供状況の公表に関するガイドライン」を策定したと発表した。国立大学病院の全職員と資金を提供した全ての製薬企業等や団体、個人を対象に、9月から2014年度分の公表可能なデータを暫定的に公表する。臨床研究不正が相次ぐ中、製薬企業等との関係について高い倫理性と透明性を確保することで、国立大学病院における臨床研究の推進等に向け社会的な理解と協力を得たい考え。

同会議は、降圧剤「ディオバン」の臨床研究データ改ざん事件等を受け、昨年9月に「臨床研究の信頼性確保と利益相反の管理に関する緊急対策」を各大学に通知した。

ただ、今後も国立大学病院が実施中の臨床研究を推進すると共に、産学官連携活動を適正に進めるためには、利益相反の状況を明らかにし、資金の受け取り状況の透明性を確保することが不可欠と判断。医師、看護師、薬剤師等の医療スタッフのみならず、事務の非常勤職員等も含めた全ての国立大学病院の職員と、寄付等の資金提供を行った全ての企業、団体、個人を対象に、国立大学病院の製薬企業等からの金銭受け取り状況を開示するガイドラインを策定した。

今回のガイドラインでは、国立大学病院に勤務する全職員を対象としており、医学部等の各講座に提供された資金も開示対象となる。

公表内容は、日本製薬工業協会の透明性ガイドラインの項目を参考に、▽受託研究・共同研究・受託事業等▽奨学寄附金・現物寄附▽講師謝金、原稿執筆料・監修料、コンサルティング等業務委託費▽その他(接遇等費用)――の4項目に関する受け取り状況の総額を公表することにした。

受託研究・共同研究等の費用については、財務諸表のデータを活用し、それぞれの総件数と総額を示す。奨学寄附金等については、診療科単位でそれぞれの総件数と総額を公表する。

講師謝金や原稿執筆料・監修料等をめぐっては、兼業の届け出や贈与等報告の倫理規定等により、資金受け入れ状況を把握できない職員について各病院で適切な把握方法を決め、診療科単位でそれぞれの総件数と総額を公表する。接遇等費用も総額を示す。

16日の記者会見で名古屋大学病院の石黒直樹病院長は、総額のみを公表することについて「企業名を公表すると、企業秘密や特許の問題がある。個人名の公表は、製薬協のガイドラインに基づく開示情報で把握できる」と説明した。

ガイドラインに基づく国立大学病院の資金受け入れ状況の開示は、9月に14年度分のうち公表できる金額を暫定的に公表する。14年度以降は、その年度分の資金受け入れ状況を翌年度の決算が確定した後に公表する。

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