ゲムシタビンと併用する場合の有効性と安全性を評価
メルクセローノ株式会社は6月10日、未治療の局所進行切除不能または転移性膵がん患者を対象とした、低酸素活性化プロドラッグ「TH−302」をゲムシタビンと併用する場合の有効性と安全性を評価する第3相国際共同治験(MAESTRO試験)において、4月から国内症例の組み入れを開始したことを発表した。
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同試験は、治療歴のない局所進行切除不能または転移性膵がん患者を対象に、TH−302とゲムシタビン、あるいはプラセボとゲムシタビンの投与を比較する国際的多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照の第3相試験。グローバルで計660人の患者を組み入れる予定で、2013年1月にスタートした。
主要評価項目は全生存期間、副次的評価項目には安全性と忍容性の評価・薬物動態・バイオマーカー、無増悪生存期間(PFS)に基づく有効性・全奏効率・病勢コントロール率が含まれている。
重度の低酸素状態下で活性化
同試験は、TH−302のランダム化対照フェーズ2b試験の結果を受けて開始された。このフェーズ2b試験では、ゲムシタビンと340mg/m2のTH−302の併用投与患者で、疾患進行または死亡リスクが41%減少したことが確認されている。PFS中央値は2.4か月延長された。12か月の全生存率でも同併用投与群が対照群に対し優れており、疲労・悪心・末梢性浮腫といった有害事象がみられたが、治療群間でこれらの発現に差はなかった。
TH−302は、腫瘍内低酸素を標的とするプロドラッグ。多くのがんで顕著に認められる腫瘍組織内の重度の低酸素状態下で活性化するようデザインされているという。現在、2つの第3相試験で評価中であり、このMAESTRO試験のほかに、軟部肉腫(STS)患者を対象としたドキソルビンとの併用投与とドキソルビン単剤投与を比較する試験が進行している。(紫音 裕)
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・メルクセローノ株式会社 ニュースリリース