日本初の低用量アスピリンとプロトンポンプ阻害剤の配合剤に
武田薬品工業株式会社は6月12日、消化性潰瘍治療剤のランソプラゾールと低用量アスピリンの配合剤「タケルダ(R)配合錠」の日本国内における発売を開始した。
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タケルダ配合錠は、低用量アスピリンと同社の消化性潰瘍治療剤「タケプロン(R)」の合剤。1錠中にアスピリン100mgとランソプラゾール15mgを含有する。日本市場において、低用量アスピリンとプロトンポンプ阻害薬を配合した薬剤はこれまでになく、今回発売されたタケルダ配合錠が初のものとなる。
低用量アスピリン投与と、それによる潰瘍発症抑制を1錠で可能に
昨今、脳梗塞や心筋梗塞の再発予防を目的に、低用量アスピリンの投与を受ける患者が増加している。一方で低用量アスピリンの長期投与では、胃潰瘍や十二指腸潰瘍のリスクが生じるため、その発症抑制を行うことが重要だ。とくに胃潰瘍や十二指腸潰瘍の既往患者においては、国内外のガイドラインにおいても、プロトンポンプ阻害薬を併用投与することが推奨されている。
タケルダ配合錠は、低用量アスピリンとプロトンポンプ阻害薬を配合し、1錠としているため、服用剤数を増加させることなく、潰瘍発生を抑制する併用投与と同じ処方が行える。平成24年度社会医療診療行為調査によると、脳梗塞や虚血性心疾患の患者の半数以上が、5種類以上の薬剤を服用しているといい、すでにタケプロンと低用量アスピリンを服用しているケースでは、これをタケルダ配合錠に変更することで、服用薬剤を減らすことができるとしている。
武田薬品工業では、タケルダ配合錠の発売により、心血管イベントを起こした患者で長期にわたる低用量アスピリンの服用が必要となっているケースや、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の既往があり、低用量アスピリンとタケプロンの併用投与を受けている患者のケースなどで、利便性の高い治療オプションを提供することが可能となるとしている。(紫音 裕)
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・武田薬品工業株式会社 ニュースリリース