■日薬連薬価研が調査
日本製薬団体連合会保険薬価研究委員会は13日、4月の薬価改定の影響に関する調査結果等をまとめた研究報告を発表した。同委運営委員会54社の改定影響率は、消費増税対応分を含め3・3%と、前回改定時調査の6・4%に比べ、3・1ポイント引き下げ幅が小さくなった。後発品の価格帯集約が影響したものと見られ、抜本的な改定となったことがうかがえた。新たに導入された後発品への置き換えが進まない先発品の特例的引き下げを受けた品目について、薬価研会員社で全品目に占める売上比率は9・8%に上った。
消費増税を伴った4月改定の平均影響率は、薬価研54社が3・3%(前回6・4%)で、厚生労働省発表の平均改定率2・65%を上回る影響となったが、前回より引き下げ幅は縮小した。欧米企業のPhRMA・EFPIA16社も1・8%(5・8%)と引き下げ幅が小さくなり、後発品を扱う日本ジェネリック製薬協会(GE薬協)33社では7・7%(7・7%)と前回並みとなった。
薬価研会員社等で引き下げ幅が小さくなったのは、後発品の価格帯を三つに集約するルールを適用した結果、薬価引き上げ品目がGE薬協で大幅に増えたためと見られる。調査結果によると、薬価引き上げ品目数の全体に占める比率は、薬価研で7・1%(前回3・2%)、PhRMA・EFPIAで3・2%(0・6%)だったのに対し、GE薬協では14・0%(1・9%)と大幅に高まった一方、薬価が据え置かれた品目数の全体に占める比率を見ると、GE薬協では5・7%と前回の24・2%から大きく低下した。
同委員会は、後発品を扱うGE薬協の薬価引き上げ品目、据え置き品目の比率に大きな変動があったとし、「薬価引き上げ品目の増加は、後発品の価格帯を三つにまとめた低価格品等の特例の適用が要因の一つと考えられる。また、据え置き品目の減少は、改定前薬価が最低薬価だったものが今回の改定で大半がみなし最低薬価となり、消費増税分を除くと、実質的に薬価引き下げとなった品目が多かったことが考えられる」と分析した。
新たに導入された後発品への置き換えが進まない先発品の「特例的引き下げ」について見ると、「置き換え率20%未満」(2・00%引き下げ)・「置き換え率20%以上40%未満」(1・75%引き下げ)・「置き換え率40%以上60%未満」(1・50%引き下げ)に該当する品目数は、薬価研でそれぞれ304品目・330品目・254品目、PhRMA・EFPIAで104品目・92品目・112品目となった。
同委員会は、「後発品の銘柄数が少ないものほど、2・00%が適用されている傾向があり、特に後発品が1品目のみ参入しているケースでは2・00%の適用が半数以上だった」と分析。後発品の参入が少ない先発品の安定供給に支障が出る可能性を指摘した。
一方、全品目数のうち新薬創出等加算の対象となった品目数は、薬価研が773品目(8・2%)、PhRMA・EFPIAが385品目(25・5%)。そのうち実際に加算が適用された品目数は、薬価研616品目(79・7%)、PhRMA・EFPIA338品目(87・8%)と前回に比べてやや増加した。
その要因について、同委員会は「前回改定以降に薬価収載された新薬の加算適用率が高かった。特に開発要請のあった未承認薬等に加算が適用していることが影響している」と分析した。