マスト細胞に発現するDOCK5に着目
九州大学は6月6日、同大生体防御医学研究所の福井宣規主幹教授らの研究グループが、アレルギー反応を引き起こす化学物質が放出されるメカニズムを解明したと発表した。
画像はプレスリリースより
この研究は、独立行政法人科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業チーム型研究の成果で、米科学雑誌「Journal of Experimental Medicine」オンライン版に掲載された。
同研究グループは、アレルギー反応の誘導に深い関わりを持つマスト細胞に発現しているDOCK5というタンパク質に着目。DOCK5が発現しないように遺伝子操作したマウスではマスト細胞の脱顆粒反応が障害を受け、アレルギー反応が著しく抑制されることを見い出した。
アレルギー疾患の新たな創薬標的に
さらにDOCK5が脱顆粒反応を制御するメカニズムを解析した結果、既知の働きとは異なる機序でDOCK5が作用することを発見したという。
プレスリリースでは、アレルギー疾患の治療薬として現在はヒスタミンの働きを抑える薬剤が使用されていることに触れ、
DOCK5はヒスタミンの放出そのものに関わっているため、アレルギー反応を根元から断つための新たな創薬標的になることが期待されます。(九州大学 プレスリリースより引用)
と述べられている。(小林 周)
▼外部リンク
・九州大学 プレスリリース