多様なペーシングオプションが利用可能に
セント・ジュード・メディカル株式会社は6月5日、ペースメーカ市場では初めてとなる4極リード「Allure Quadra(TM) CRT-P」を日本で上市したことを発表した。
画像はプレスリリースより
同製品は、従来よりも多様なペーシングオプションが利用でき、臨床データによると、植込み成功率はさらに向上。また、4極リードにより植込み効率を高めることが可能となったことも、再手術を低減する要因となっているという。
また、今回発売のCRT-Pは同種の機器の中では唯一、欧州のCEマークを取得した独自の脳卒中リスク識別アルゴリズムが採用されている。
心不全患者のケア水準の引き上げを期待
同製品によって脳卒中のリスクを予測できるかどうかを検証するべく、臨床試験(ASSERT)が実施された。対象は心房細動の既往のない高齢の高血圧患者となっている。
その結果、心房性頻脈または心房細動の既往がなく、ペースメーカによって不整脈が発見された患者は、ペースメーカによって不整脈が発見されていない患者に比べ、およそ2.5倍脳卒中を起こす可能性が高いことが判明したという。
また、4極ペーシング技術により従来のバイポーラ(2極)システムでは実現できなかったオプションが利用可能となった。さらに、バイタルな診断データに速やかにアクセスし、心不全の進行を初期の段階から把握することを可能とするCorVue(TM)インピーダンスモニタリングなどの新たな機能を搭載することで、HF管理機能が強化されたという。
設計もTailoredTherapy機能により、植込み時とその後の経過観察時にこの4極システムを最適化することによって、変化する心不全特有の難しさにも対処が可能となっている。(伊藤海)