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「患者申出療養」を創設―安倍首相、混合診療で新制度

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2014年06月13日 AM09:54


■次期通常国会に法案

安倍晋三首相は10日、慶應義塾大学病院で先進医療の現場を視察後、患者の申し出に基づいて国内未承認薬等を混合診療として使えるようにする新たな仕組み「(仮称)」を創設すると発表した。安全性・有効性を確認した上で、臨床研究中核病院と地域の協力医療機関で迅速に先進医療を受けられるようにし、最終的には保険適用を目指す。次期通常国会に健康保険法の改正法案を提出したい考えだ。

混合診療を可能とする新たな仕組みは、政府の規制改革会議が患者の希望に基づく「選択療養」の導入を提案していた。この日、安倍首相は、田村憲久厚労相と稲田朋美規制改革担当相に、「患者申出療養」の仕組みを創設するよう指示。両大臣が協議の上、対応方針に合意した。

新たな患者申出療養は、癌や難病等の患者からの申し出をきっかけに、国内未承認薬や適応外薬等を迅速に保険外併用療養として使えるようにし、治療選択肢の拡大を目指すもの。医師が治療内容や安全性、有効性等を患者に十分説明し、患者が理解、納得した上で申し出ることを前提に、未承認薬を用いた治療等に豊富な経験を持つ臨床研究中核病院と地域の医療機関が連携して体制を作って診療に当たる。

副作用の強い抗癌剤等、リスクが強い医薬品等を用いた治療は大学病院、リスクの低い治療は地域の医療機関等、診療内容に応じて連携する。安全性、有効性の確認は、国で専門家の合議を行い確認。エビデンスのある診療を対象とする方針で運用する。会議体や運営については、先進医療会議とは異なる新たな組織、方法を検討する。

保険収載に向けては、患者申出療養の実施計画を作成し、国が確認すると共に、重篤な有害事象や実施状況、結果等の報告を求める。対象外の患者についても臨床研究中核病院が安全性等の検討を行った上で、専門家の合議で承認する。

患者申出療養の前例がある診療については、臨床研究中核病院、協力医療機関が患者から申し出を受け、臨床研究中核病院に申請。原則2週間で同病院が判断し、受診できるようにする一方、前例がない場合は、臨床研究中核病院が患者からの申し出を受け、国に申請。原則6週間で国が判断し、受診できるようにする。

臨床研究中核病院については、現行15カ所にとどまらず、要件を満たした場合は追加していく。

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