虚血性血管新生において
名古屋大学は6月4日、虚血性血管新生においてカテプシンKがNotch1を活性化する新たなメカニズムを解明したことを発表した。
画像はプレスリリースより
研究成果は同大学大学院 医学系研究科 地域在宅医療学・老年科学講座の成憲武特任准教授、葛谷雅文教授らの研究グループと、同研究科 循環器内科学講座の室原豊明教授と健康増進医学講座の押田芳治教授の研究グループとの共同研究によるもので、イギリスの科学誌「Nature Communications」に現地時間6月4日付で掲載された。
選択的カテプシンK阻害で抑制
心血管疾患発症進展におけるカテプシンKの新たな機能について研究を続けてきた研究グループは、血管細胞の運命を制御する膜貫通受容体Notch1に着目。その結果、カテプシンKが血管内皮細胞と骨髄由来内皮前駆細胞におけるNotch1、その下流のHes1-Hey1/2転写因子発現とVEGF/R1-PI3K/Aktシグナル経路を活性化し、虚血性血管新生をコントロールすることが示され、また、選択的カテプシンK阻害によってNotch1活性化、虚血性血管新生が抑制されたことがわかったという。
今回の研究成果はカテプシンKが虚血性心疾患を制御する可能性を示唆するもので、研究チームは今後の展開として、アルツハイマー病、サルコペニアなどの虚血性疾患の病態とカテプシンK-Notch1活性化の関係についても調べていく予定としている。(小林 周)
▼外部リンク
名古屋大学 プレスリリース
http://www.nagoya-u.ac.jp/about-nu/public-relations/research