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順天大 パーキンソン病原因遺伝子の関係について新たな知見

読了時間:約 1分12秒
2014年06月12日 AM09:10

PINK1がParkinを活性化

順天堂大学は6月6日、同大学の服部信孝教授、今居譲先任准教授らの研究グループが若年性遺伝性パーキンソン病発症に関わる2つの遺伝子の関係について、新たな知見を明らかにしたことを発表した。


画像はプレスリリースより

研究グループは若年性遺伝性パーキンソン病の原因遺伝子として知られているPINK1とParkinについて、PINK1がParkinを活性化する仕組みを培養細胞で解明していた。今回の研究では、ショウジョウバエの生きた脳内のドーパミン神経でも、この仕組みが働いていることを明らかにしたという。

予防や治療の道拓く

これまでの研究により、不良ミトコンドリアが生じるとPINK1とParkinがそれを感知し除去することがわかっていた。さらに、そのメカニズムにはPINK1がParkinにリン酸を付加すること(リン酸化)が必要であることが、ヒト培養細胞とパーキンソン病患者の線維芽細胞において明らかになっていた。しかし、生きた個体でのドーパミン神経への影響はまだわかっていなかったという。

ParkinはPINK1によってリン酸化されたときにのみ働くが、PINK1遺伝子に傷があるパーキンソン病患者ではリン酸化が起こらない。研究グループはリン酸化されないParkinと、リン酸化された状態を模倣したParkinを生きたショウジョウバエで発現させることによって、PINK1とParkinという2つの遺伝子がドーパミン神経機能を絶妙に調節していることを明らかにした。

この研究成果についてプレスリリースでは、

若年性パーキンソン病の病態の一端を明らかにし、これからのパーキンソン病の予防・治療に大きく道を拓く可能性を示しました。(順天堂大学プレスリリースより引用)

と述べられている。(小林 周)

▼外部リンク

順天堂大学 プレスリリース
http://www.juntendo.ac.jp/graduate/pdf/news10.pdf

 

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