医療用医薬品 半消化態栄養剤として15年ぶりの新製品
アボット ジャパン株式会社は5月30日、長期栄養管理時等における必要栄養素の欠乏に配慮した半消化態栄養剤「エネーボ(TM)配合経腸用液」の発売を同日より開始すると発表した。
画像はプレスリリースより
エネーボは、医療用医薬品の半消化態栄養剤としては15年ぶりの新製品で、今年3月に厚生労働省より製造販売承認を取得したものである。
日本国内において、2025年には65歳以上の高齢者が3割に達するといわれており、本年度の診療報酬改定では、急性期病院の機能分化だけでなく、在宅医療の拡充にも重点がおかれ、地域包括的な医療体制が構築されつつある。
このような背景から同社は、急性期タンパク異化亢進状態及び慢性期低タンパク栄養不良状態の両方に適応できる経腸栄養剤を発売したとしている。
ヒトの体内で合成できないBCAAを強化
エネーボの効能・効果は「一般に、手術後患者の栄養保持に用いることができるが、特に長期にわたり、経口的食事摂取が困難な場合の経管栄養補給に使用する」で、タンパク質の配合比率を高めるとともにBCAAを強化しているという。
BCAAとは、ヒトの体内で合成できない9種類の必須アミノ酸の中の、3種類の分枝鎖アミノ酸のこと。筋肉でタンパク質を合成するとともに、筋肉のタンパク質分解を抑制する働きがあるため、術後などの異化亢進時や筋力が低下する高齢者においては、BCAAの比率を高める必要がある。
アボット ジャパン株式会社執行役員 栄養剤製品事業部長の武知秀幸氏はプレスリリースで、
アボットは、日本特有の医療プラクティスと市場ニーズに合わせ、エネーボ(TM)配合経腸用液を開発いたしました。本製品が患者様のQOL(Quality of Life:生活の質)向上に貢献できることを期待しております。(アボット ジャパン株式会社 プレスリリースより引用)
と述べている。(浅見園子)
▼外部リンク
アボット ジャパン株式会社 プレスリリース
http://www.abbott.co.jp/press/2014/