ヤクルトとの共同研究で明らかに
順天堂大学は6月4日、日本人2型糖尿病患者の腸内フローラのバランスが乱れていること、腸内細菌が腸内から血液へと移行している割合が高いことを発見したと発表した。
画像はニュースリリースより
この研究成果は、同大大学院医学研究科・代謝内分泌内科学の佐藤淳子医師、金澤昭雄准教授、綿田裕孝教授、同大大学院プロバイオティクス研究講座の山城雄一郎特任教授らの研究グループと、株式会社ヤクルト本社中央研究所との共同研究によるもの。
血流への腸内細菌移行も高割合
研究グループは、2型糖尿病患者50名と非糖尿病患者50名において、腸内フローラの比較を行った。その結果、腸内細菌の総数に大きな違いは見られなかったものの、腸内フローラを構成する腸内細菌の割合が異なることが明らかになった。
また、ヤクルトが開発した腸内フローラ自動解析システムを用いて腸内細菌の血流への移行について解析を行ったところ、血液中の腸内細菌検出率が非糖尿病患者では4%だったのに対し、2型糖尿病患者では28%だったという。
今後の展開について、プレスリリースでは、
腸内フローラの乱れや腸内から血流中に移行した腸内細菌が2型糖尿病に伴う慢性的な炎症に関与することが明らかになれば、腸内環境の改善により2型糖尿病に伴う炎症を抑制し、インスリン抵抗性の改善が可能になると期待されます。(順天堂大学 ニュースリリースより引用)
と述べられている。(小林 周)
▼外部リンク
順天堂大学 ニュースリリース
http://www.juntendo.ac.jp/graduate/pdf/