RELAX-AHF-2の結果が得られ次第、再承認申請を目指す
スイス・ノバルティス社は5月23日、欧州医薬品委員会(CHMP)が、急性心不全(AHF)治療薬「RLX030(一般名:serelaxin)」について、EU承認にはさらなるエビデンスが必要とする見解を採択したと発表した。
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今年1月、CHMPは同剤の承認申請に関して否定的見解を出しており、同社はその後、CHMPに対して再検討を求めていた。今後、同社は現在進めている、国際共同試験「RELAX-AHF-2」の結果が得られ次第、再び承認申請を目指すとしている。
RELAX-AHF-2試験は、6,300名の患者が参加する、AHF治療薬に関して同社が実施する最大規模で最も信頼性の高い臨床試験の一つである。
血管拡張や水分貯留の減少など複数の効果
AHFの発作を起こした患者は、肺や組織に水分が貯留するため呼吸困難や全身の腫脹を示すなど、急速に症状が悪化し、生命が脅かされる。しかし、AHFの治療はこの20年間大きな進歩がみられておらず、一般的に使用される薬剤は、対処療法に限られ、長期的な予後への効果は立証されていないという。
RLX030は、男女双方に存在し、妊娠中の女性で増加して心血管需要の高まりに身体が対処するのを助ける生体ホルモン(ヒトリラキシン2)の製剤で、血管拡張や水分貯留の減少など複数の効果がある。心臓と主要な臓器への損傷を低減する可能性を示唆するエビデンスもあり、急性心不全発現時に起こる損傷の連鎖を考慮する場合に重要と考えられている。
同社は、心不全を対象とした研究に尽力しており、RLX030の他にも慢性心不全治療薬「LCZ696」などの製品ラインを有している。(浅見園子)
▼外部リンク
ノバルティス ファーマ株式会社 プレスリリース
http://www.novartis.co.jp/news/2014