肝臓がんの「肝動脈化学塞栓術」に
テルモ株式会社は5月29日、100%出資の子会社であるテルモ・クリニカルサプライ株式会社が、オクリュージョンマイクロバルーンカテーテル「アテンダントネクサス」を全国の医療機関向けに、同日付けで発売したと発表した。
画像はプレスリリースより
オクリュージョンバルーンカテーテルは、血流を一時的に遮断するために用いる先端に風船のついたカテーテル。特に肝臓がんの治療法の一つである「肝動脈化学塞栓術(TACE)」の分野において使用され、末梢血管の閉塞を可能にするものだ。
TACEは、血管にマイクロカテーテルを挿入し、肝臓の動脈からさらに腫瘍の近くまでカテーテルを進め、抗がん剤や塞栓物質を注入して腫瘍を選択的に壊死させることを期待する治療方法。
TACEにおいて、オクリュージョンバルーンカテーテルを用いることで、血管を一時的に閉塞させ、その結果起きる肝臓内の血流動態の変化を利用して、より効果的な抗がん剤や塞栓物質の注入を期待する新たな手法も検討されている。
カテーテル径を細く、バルーンは俵状に
今回発売されるアテンダントネクサスは、がん細胞の近くでの投与ができるよう、カテーテル径を細くすることで、入り組んだ末梢血管内への到達性を高めることを目指したという。また、エックス線透視下で血管内でのバルーンの位置を確認しやすくするため、マーカーバンドを追加。
さらに、俵状のバルーンにすることで、対象血管に対し、安定して留めやすく、適切なバルーン径で閉塞のしやすさも追求。医師の使いやすさを高めることを目指したとしている。
保険償還価格は、123,000円/本で、同社は2014年度に6億円の売上を目標としている。(浅見園子)
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