東日本大震災後の健康調査
東北大学東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)は5月29日、平成26年度の「地域子ども長期健康調査」を6月2日より開始すると発表した。
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同調査は、今年度から対象地域を宮城県内の8市16町1村に拡大。東日本大震災後の子どもたちの健康状態を把握し、適切な支援や対策を立てることを目的として実施するという。またこの調査は、東北メディカル・メガバンク計画の、三世代コホート調査の一部として行われるものである。
今回、前年度対象の白石市、名取市などに加え、気仙沼市、登米市、栗原市など大幅にエリアを増やした。対象となる市町村の公立小学校2年・4年・6年生、公立中学校2年生の各児童・生徒を通じて「子どもの健康に関するアンケート」を配布。保護者が記入し、6月20日までに回収するとしている。
直接の診療行為は行わず、地域医療機関と連携
この調査はこれまで、平成25年度、宮城県南部を中心に実施されている。アンケートでは12,742 人のうち4,074人(32%)の保護者から返信があった。
調査の結果、気管支喘息の症状のある子どもは378人、アトピー性皮膚炎の症状がある子どもは866人で、そのうち症状がよくないにもかかわらず治療を受けていない子どもは、気管支喘息で27人、アトピー性皮膚炎で37人であった。
また、「こころの健康に関する質問」として、SDQ(Strengths and Difficulties Questionnaire)を実施。日常生活で何らかの精神的困難を感じており、支援が必要と思われる子どもが606人いることが明らかとなった。この結果をうけ、心理士や保健師による心と体に関する電話相談・面談を行ったという。
東北メディカル・メガバンクでは、直接の診療行為はせず、地域医療機関と連携し、調査後の対応を行っていく考え。その際に、難治性疾患など新たな治療法開発が必要となった場合に、同計画以外の取り組みとして、詳細な検査を実施、最先端の医学的支援を行う可能性もあるとのことだ。(白井蓮)
▼外部リンク
東北大学東北メディカル・メガバンク機構 プレスリリース
http://www.tohoku.ac.jp/