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大日本住友製薬 抗がん剤「BBI608」第3相試験の新規患者登録を中止

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2014年06月05日 AM06:05

独立安全性モニタリング委員会の勧告を受け中止

大日本住友製薬株式会社は5月23日、同社が開発中の抗がん剤「」について、結腸直腸がんを対象とした第3相国際共同治験(CO23試験)の新規患者登録および登録済みの患者に対する投与を中止すると発表した。


画像はwikiメディアより引用 Author:Nephron

今回の中止は、独立安全性モニタリング委員会の勧告内容をうけて決定されたもの。同委員会は、97例の登録患者を対象としたCO23試験の中間解析を実施。その結果、安全性の問題は認められなかったが、病勢コントロール率(DCR)において、あらかじめ定められた判断基準(クライテリア)を達成していないことが判明し、勧告を行うに至ったという。

同社では、すでにCO23試験に参加した約280例については、新たな投与を中止するが、今後は主要評価項目である全生存期間(OS)での評価を行うとしている。

これ以外の種々の固形がんを対象とする試験は継続

CO23試験は、難治性の結腸直腸がん患者を対象としたランダム化二重盲検プラセボ対照比較試験。米国・カナダ・日本などを開発地域とし、単剤、結腸直腸がんを適応症に、北米市場で2015年度の上市を、日本市場で2016年度の上市を目標としていた。

「BBI608」については、このCO23試験以外に、種々の固形がんについて第1相から第3相まで複数の臨床試験が進行中。同社では、これらの試験については継続し、引き続き開発を進めて、早期の承認取得を目指す方針だという。

「BBI608」は、がん細胞に加え、がん幹細胞に対しても作用し、抗腫瘍効果を発現する新しいメカニズムの低分子化合物。ファーストインクラスの分子標的薬で、経口投与により用いる。がん幹細胞およびがん細胞に対し細胞増殖抑制・細胞死を誘導する作用をもち、化学療法剤などとの併用でより高い有効性を示すこと、高い安全性をもつことなどが確認済みであるとされている。がん治療において課題となる治療抵抗性、再発あるいは転移に対する効果でも期待される薬剤となっている。(紫音 裕)

▼外部リンク

大日本住友製薬株式会社 プレスリリース
http://www.ds-pharma.co.jp/pdf_view.php?id=602

大日本住友製薬株式会社 特集 がん領域への展望
http://www.ds-pharma.co.jp/ir/topic/

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