HbA1c値で有意な低下示す
米イーライリリー・アンド・カンパニーは現地時間の5月12日、開発中のbasal insulin peglispro (BIL)に関して、2型糖尿病患者を対象として完了した3つの第3相試験について、ポジティブなトップライン結果を発表した。
この画像はイメージです
BILは、1型及び2型糖尿病に対する1日1回投与の治療薬として開発中の持効型インスリン。同3試験では、インスリン未治療の患者(IMAGINE-2)、持効型インスリンと食前インスリンを併用している患者(IMAGINE-4)、持効型インスリンで治療中の患者(IMAGINE-5)と2型糖尿病患者を3つの特定集団に分け、開発中の持効型インスリンであるBILをインスリングラルギンと比較し、検討を行ったとされる。
その結果、主要有効性評価項目であるヘモグロビンA1c(HbA1c)値低下において、インスリングラルギンに対し非劣性が達成された。この達成を受けてHbA1c値低下の優越性を検討し、インスリングラルギンと比較してBILが統計学的に有意なHbA1c値低下を示した。
これらの臨床試験で、副次的評価項目として夜間低血糖発現率及び体重の変化を評価したところ、BIL投与群はインスリングラルギン投与群と比較して夜間低血糖発現率が統計学的に有意に低下し、体重増加は同等か統計学的に有意に少ないことが示されたという。また、第3相試験で認められたその他の安全性所見は、2型糖尿病患者を対象としたBILの第2相試験で報告されたものと概ね一致していたとしている。
今後のデータ公開や申請予定
同社は、1型糖尿病患者を対象とした第3相試験のトップライン結果について、2つの第3相試験が完了する今年の第3四半期末までに発表する予定であるという。また、1型及び2型糖尿病の第3相試験の詳細な結果は、2015年の主要な欧米の医学会で発表する予定で、2014年の医学会では、BILの作用機序に関する新たなデータを発表するとしている。
今後は、これまでの第3相試験結果に基づいて、BILの承認申請を2015年第1四半期末までに米国食品医薬品局及び欧州医薬品庁に行う計画だ。(浅見園子)
▼外部リンク
日本イーライリリー株式会社 プレスリリース
https://www.lilly.co.jp/pressrelease/2014/