24時間蓄尿とほぼ同等の数値が測定可能
オムロン ヘルスケア株式会社は5月14日、簡便に摂取塩分の状況を測定できる研究用の尿中ナトリウム/カリウム(Na/K)比測定器「オムロン ナトカリ計 HEU-001F」を開発したと発表した。
画像はプレスリリースより
同社は世界32ヶ国、1万人以上の塩分摂取と血圧の関係を調べた世界的な疫学研究である「INTERSALT研究」において、血圧との関連が示されている「尿中Na/K比」という指標に着目し、24時間蓄尿検査に代わる簡便な手法を開発した。
同手法の開発は、滋賀医科大学との共同研究によって行われ、これによって1日1回、1週間程度、尿をセンサーにかけるだけで計測した数値が、24時間蓄尿による従来手法とほぼ同等の数値となることが明らかになったという。
今秋研究者向けに発売予定
日本人の食生活は、味噌汁や漬物など塩分の多いものも多く、1日の平均塩分摂取量は約10.6gと、高血圧学会が推奨する6g未満やWHOが推奨する1日5g未満を大きく上回っており、塩分摂取が1日6g未満である人の割合はわずか数パーセントといわれている。
また、日本人の約半数は遺伝的に塩分感受性が高く、塩分過剰が原因の高血圧患者が多数存在するといわれ、さらに日本人は塩分を体外に排出し、血圧上昇を抑制する作用がある野菜や果物(カリウム)の摂取量が不足がちだといわれている。
今回、同社の開発した手法により、個人の日々の塩分・カリウム摂取の状況といった日常生活におけるナトカリ比を、高精度に簡単に把握することが可能になった。今後は、高血圧患者の食事指導による食事状況の変化を的確に捉えるなど、高血圧予防や管理ツールとしての活用が期待できるとしている。なお、同手法は「Hypertension Research」オンライン版に現地時間4月10日付で掲載されており、同製品は研究者向けに今秋にも発売される予定である。(浅見園子)
▼外部リンク
オムロン ヘルスケア株式会社 ニュースリリース
http://www.healthcare.omron.co.jp/corp/news/2014/