高い他者認知能力をもつことが明らかに
独立行政法人国立精神・神経医療研究センター(NCNP)と名古屋大学は5月21日、新世界ザルの一種である小型の「マーモセット」が高い他者認知能力をもつことを明らかにしたと発表した。
画像はプレスリリースより
この研究成果は、NCNP神経研究所微細構造部の一戸紀孝部長と名古屋大学大学院情報科学研究科の川合伸幸准教授らの研究グループによるもので、イギリスの科学誌「Biology Letters」オンライン版に掲載された。
人間社会の維持で欠かせないのが、互いに協力し合い、利益を与え合う「互恵性」という関係性であり、人間以外の多くの霊長類でもその関係性はみとめられている。しかしこれまで、霊長類が自分と他の個体との関係が互恵的かどうかに敏感であることは知られていたが、自分と関係のない第三者同士が互恵的であるかどうかを判断できるかは不明だった。
やり取りを拒否した人物からの受け取りを避け
研究グループは、4頭のマーモセットに2人の人物がお互いに食べ物をやり取りする演技と、一方は食べ物を与えるがもう一方は拒否する演技を見せ、その後、マーモセットがどちらの人物が差し出した食べ物を受け取るかを調べた。
その結果、お互いに食べ物をやり取り交換する演技を見た後は2人の人物から同じ割合で食べ物を受け取ったのに対し、一方が拒否する演技を見た後はやり取りを拒否した人物からの食べ物の受け取りを拒否する傾向が見られたという。
プレスリリースでは
と述べられている。(小林 周)
▼外部リンク
独立行政法人国立精神・神経医療研究センター プレスリリース
http://www.ncnp.go.jp/press/press_release140521.html
名古屋大学 プレスリリース
http://www.nagoya-u.ac.jp/about-nu/public-relations/research