貸出し中でも測定タイミングの変更が可能
オムロン ヘルスケア株式会社は5月15日、血圧分析サービス「メディカルリンク」の夜間血圧対応を開始し、同社の医療機器販売会社であるオムロン コーリン株式会社を通じて、夜間血圧測定機能付きの上腕式血圧計「HEM-7252G-HP」を5月29日から販売すると発表した。
画像はニュースリリースより
メディカルリンクは、ICTを応用した血圧分析サービス。医師はあらかじめ測定タイミングを設定した血圧計を患者に貸し出し、患者が就寝時に血圧計をつけ測定する。この家庭血圧データが、自動的にメディカルリンクのサーバーに送られ、家庭血圧の推移や朝晩の差を医師のパソコンに表示し、高血圧治療をサポートする。
医師はデータをリアルタイムにモニタリングでき、それに応じて、患者に貸出し中でも測定タイミングを随時変更することができるという。
同時発売する夜間血圧計は、静音構造を採用し、睡眠を妨げずに計測が可能。ロングチューブを採用し、体から少し離れた場所に血圧計を置くことができるため、睡眠中に本体が邪魔にならず、患者にとっても夜間計測の負担を軽減するメリットがあるという。
重要性が高まる家庭血圧
今年4月に改訂された日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン」では、家庭血圧と診察室血圧に差がある場合は家庭血圧を優先するとされ、家庭血圧の重要性が高まっている。
一般的に血圧は、朝は低く、日中動き出すと上昇し、睡眠中は落ち着くが、朝の血圧が高い早朝高血圧や睡眠中も血圧が高い夜間高血圧の患者は、心血管リスクが高い。中でも、夜間高血圧による心血管死亡リスクは2.35倍と、夜間の血圧が昼間の血圧よりも病態や予後と強く関係することが知られている。
これまでは、携帯型の血圧計を24時間装着し、30分間隔などで測定・記録し続ける24時間自由行動下血圧モニタ(ABPM)で夜間血圧を測定するのが一般的だったが、この方法は患者の身体的・精神的負担が大きく、日々の生活習慣の影響を受けて再現性が低いなどの課題を抱えていた。
今回販売される夜間測定機能付き家庭血圧計は、一晩の測定回数は少なく抑えながら複数の晩に測定でき、日中に装着する必要もないことから、ABPMより再現性が高く、より正確に病態を反映することが可能だとしている。(浅見園子)
▼外部リンク
オムロン ヘルスケア株式会社 ニュースリリース
http://www.healthcare.omron.co.jp/corp/news/2014/