国内大手5社の2014年3月期決算が出揃った。円安効果による海外売上拡大によって、5社全てが増収を達成し、利益面では、事業再編費用や為替差損などを計上したアステラス製薬を除き、軒並み営業増益となった。大塚の医療関連事業は初の売上高1兆円を突破。武田は海外売上比率を60%台、アステラスは50%台に乗せた一方、印GE子会社ランバクシーの15カ月決算の特殊要因があった第一三共は、国内でも底堅く成長した。エーザイは、主力品落ち込みを新製品とGE薬でカバーした(エーザイのみ日本基準。そのほかは国際基準)
武田薬品の医療用医薬品事業売上高は、前期比9・1%増の1兆5291億円。グローバル主要品では2型糖尿病治療薬「ピオグリタゾン」が70%減、高血圧症治療薬「カンデサルタン」が8%減となったものの、他の製品は売上増と堅調だった。
国内は高血圧症治療剤「アジルバ」など新製品が伸びたが、主力品の売上減で1%減。海外は消化性潰瘍治療剤「パントプラゾール」、米国は多発性骨髄腫治療剤「ベルケイド」や逆流性食道炎治療剤「デクスラント」、買収したURLファーマから獲得した痛風・高尿酸血症治療剤「コルクリス」の増収効果もあり、16%増の二桁増収となった。