スマホが普及するようになって、身の回りの様々なことが、変化したと実感している方も多いことでしょう。今や、スマホを使った健康管理術も色々と紹介されています。カロリー計算やエクササイズメモを利用して、体重コントロールやメタボ対策をしている人も増えて来ていますね。
スマホを使うことで、慢性の痛みを抱える患者さんたちの生活の質を向上することもできるようになって来ました。アメリカ疼痛学会に寄せられた報告に、スマホのアプリを使って患者さんの抱える痛みの様子をモニターした結果がありました。
これによると、患者さんは、自分のスマホに痛みの度合いや、気分、睡眠の状態など、5つの質問の答えを毎日入力します。
このデータを、痛みの専門医が分析し、それぞれの患者さんに対して薬の処方や、生活指導に役立てたところ、スマホを使わなかった患者さんと比べて、痛みや生活の中での不自由度の改善が、より効果的に行われていたことが分かりました。
調査は現在も続けられており、調査チームでは最終的にアプリの活用で、痛みの悪化による急な受診や入院の割合を50%低下させることができると仮定しています。
痛みの段階は、痛みがない場合を0とした10段階で答えてもらっています。患者さんには、アプリ導入時の数字よりも痛みの度合いが大幅に強くなった時や、9以上の痛みになったときは、医療機関を受診するようにとアドバイスを行っているそうです。
アプリを使うことによって、痛み治療に対する意欲を損なうことなく、痛みの対処法を学んでもらったり、非薬物療法や認知行動療法を加えることができるとしています。
今後、より効果的にアプリが利用されることで、痛みを抱える患者さんたちの生活の質が向上することが期待されます。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
New SmartPhone Apps Help Doctors Manage Pain Patients
http://www.americanpainsociety.org/about-aps/