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エーザイ 次世代アルツハイマー型認知症治療剤について、米バイオジェン社との共同開発・販促提携地域に日本を追加

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2014年05月18日 PM12:00

2つの次世代AD治療剤について

エーザイ株式会社は5月9日、2014年3月に米バイオジェン・アイデック・インクと締結した次世代アルツハイマー型認知症(AD)治療剤に関する共同開発・共同販促契約に関して、日本を共同開発・共同販促の地域に追加するオプション権を行使したと発表した。


(画像はwikiメディアより引用)

契約対象となるのは、エーザイが開発している次世代AD治療剤であるBACE阻害剤「E2609」および抗アミロイドβ(Aβ)プロトフィブリル抗体「BAN2401」。

E2609は、エーザイが次世代経口アルツハイマー型認知症治療剤として開発している同社創製のBACE阻害剤である。アミロイド前駆体タンパク質のβサイト切断酵素であるBACEを阻害することで、アルツハイマー型認知症の病因の一つと考えられている、アミロイドβ(Aβ)を減少させるという。

BAN2401は、アルツハイマー型認知症に対する免疫療法剤創製を目的としたバイオアークティック・ニューロサイエンス社との共同研究から得られた、ヒト化モノクローナル抗体。アルツハイマー型認知症を惹起させる因子の一つと考えられている、神経毒性を有する可溶性のAβ凝集体に選択的に結合して無毒化し、脳内からこれを除去する薬剤とされる。

両剤は、症状改善だけでなく病態の進行を抑制するなどの疾患修飾作用も期待でき、現在、臨床試験を準備、進行中であるという。

売上高はエーザイに計上、利益は両社で分配

今回のオプション権行使により、欧米を中心とする主要地域に加え、日本においても同剤についてエーザイ主導のもとで共同開発を進め、承認取得後は共同販促を行うとされる。

開発の対象となる両剤の研究開発費等の費用は両社で分担し、承認取得・発売後の売上高はエーザイに計上され、利益は両社で分配するという。

エーザイは、同社の持つAD領域における知見とバイオジェン・アイデック社の神経変性疾患領域における強みとの相乗効果によって、両剤の開発成功確率の向上と開発期間の短縮を実現し、日本を含む世界の患者に有望な治療剤を一日でも早く届けることを目指していくとしている。(浅見園子)

▼外部リンク

エーザイ株式会社 ニュースリリース
http://www.eisai.co.jp/news/

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