今年度の薬科大学(薬学部)の定員数は13年度に比べ減少したが、これは6年制の広島国際大薬学部が160人の定員を14年度に120人に減じた影響。全国の薬科大学(薬学部)の定員は、薬学部新設ラッシュの最終年度に当たる08年度に鈴鹿医療科学大と立命館大が薬学部を設置し、現在74大学・学部が出揃った時点で、一部大学での定員増もあって1万3494人(07年度は1万3274人)と過去最多人数に達したが、翌09年度は1万3314人に減少し、12年度には1万3000人を切り1万2958人と減少を続け、14年度にはピーク時より636人、約5%減少した。
学科別には6年制学科の定員は1万1470人(対前年度比40人減)、4年制は前年度と同様に1388人だった。これに対し入学者数は、国公立系を中心に初年度に少なくとも科別人数が確定していない北大、東北大、東大など8校を除くと6年制は1万1591人(13年度1万2007人)、4年制は1147人(同1062人)となり、6年制の入学者数が400人強減少したが、4年制は80人余り増加した。
6年制と4年制を合わせた入学者総数は、11年度以降、総合入試制度の導入により初年度に入学者数が確定しない北大、3年次に学部振り分けを行う東大を除くと1万3505人、同様に13年度は1万3828人で2%ほど減少した。“定員充足率”は106・4%(同108・6%)と100%を超えた。
なお、東大は14年度3年次の学部選択において薬学部には83人が進学、薬学部4年次の学科選択では6年制に7人、4年制に76人が進級している。
ただ、大学別には相変わらずバラツキがあり、入学者数が定員の10%超となったのは25校だった。このうち、13年度に3校あった30%超の大学はなかったが、20%超となったのは、城西大130・0%、姫路獨協大129・0%、城西国際大128・5%、松山大126・0%、東京理大125・0%、鈴鹿医療科学大124・0%の6校だった。実数で見ると定員に比し、最大で城西大が90人オーバー、次いで東京理大50人、日本薬大・東邦大39人、明治薬大38人、城西国際大37人、横浜薬科大31人、岩手医科大31人などとなっている。
一方、いわゆる定員割れをしたのは13年度と同様11校だった。このうち“定員充足率”が8割を切ったのは13年度は3校だったが、今年度は青森大の1校に減少した。実数では北陸大が定員に対し入学者数が57人減とマイナスが大きく、次いで青森大が31人、奥羽大が21人、東京薬科大が19人それぞれ減少していた。
表:2014年度 全国薬大・薬学部 入学状況