全ての権利は日産化学に返還
小野薬品工業株式会社と日産化学工業株式会社は4月30日、新規血小板減少症治療薬に関するライセンス契約を終了することが合意に至ったことを発表した。これに伴い、日産化学は小野薬品から開発・販売権など全ての権利の返還を受けるという。
(画像はwikiメディアより引用)
日産化学が創製した新規血小板減少症治療薬「NIP-022/ONO-7746」は、経口投与が可能な低分子化合物。造血因子であるトロンボポエチンの受容体を活性化することにより、血小板を増加させる作用があるという。
第1相試験では安全性と有効性を確認
小野薬品は2007年、日産化学よりNIP-022/ONO-7746の全世界での独占的な開発・販売権を取得。健常人を対象とした臨床第1相試験において、安全性と有効性(強力な血小板増加作用)について確認されていた。
その後、抗悪性腫瘍剤投与に伴う血小板減少症患者を対象とした臨床試験を行っていたが、戦略上の都合で同剤の開発が中止となったという。
日産化学では、小野薬品がこれまで取得した試験データの独占的な使用が可能なため、同剤の開発継続に支障はなく、今後新たな導出先の検討を進めていくとしている。(伊藤海)
▼外部リンク
日産化学工業株式会社/小野薬品工業株式会社 ニュースリリース
http://www.nissanchem.co.jp/news_relese/news/