髪再生医療の事業化に向けた研究開発の中核に
株式会社資生堂は4月21日、神戸医療産業都市において、「資生堂細胞加工培養センター(SPEC、呼称:スペック)」を5月1日に開設すると発表した。同施設では、毛髪再生医療の事業化に向けた研究開発の中核となる、細胞の培養・加工を行う。
(画像はプレスリリースより)
2012年の矢野経済研究所の調べによれば、脱毛症や薄毛関連の市場は、植毛やかつら、育毛サポート、育毛料(医薬品、医薬部外品)など、国内だけで2000億円程度の規模になると推計されている。近年では、男性ホルモンの抑制効果を持つ経口治療薬が実用化され、毛髪細胞に対する成長因子の頭皮への注入など、新たな技術開発も進んでいる。
資生堂は創業期から、頭髪、毛髪研究に取り組み、2011年2月に発売された「ザ・ヘアケア アデノバイタル スカルプエッセンス」が、アジア一円で230万本を超える好調な売上を記録している。
健康な毛髪の成長を促す「自家細胞移植技術」
資生堂は、カナダのバイオベンチャー企業RepliCel Life Sciences Inc.(レプリセル社)が研究開発している「毛髪再生医療技術(RCH-01)」について、人口21億人を擁する日本を含むアジアを対象とした技術提携契約を2013年7月に同社と締結している。
同技術は、レプリセル社が10年以上の基礎研究・臨床研究を経て安全性を担保して確立し特許を取得したもので、患者の頭皮から採取した特定の細胞を培養した後、脱毛部位に移植し、退縮した毛包を再活性化させ脱毛部位の健康な毛髪の成長を促す「自家細胞移植技術」。
資生堂はこの新技術を導入し、毛髪再生医療の事業化に向けて本格研究を推進するとしている。(浅見園子)
▼外部リンク
資生堂 ニュースリリース
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