運動をすることで、筋肉が鍛えられることは、誰もが知っている事実です。しかし、実は同時に神経も鍛えられることがスイス・バーゼル大学の研究チームによって明かされました。
(この画像はイメージです)
運動をすると、その動きに適した状態へと筋肉が変化します。この変化は遺伝子を整理することによって行われますが、この時必要となるPGC1αという物質があります。
筋肉を動かさないとき、または筋肉の働きが衰える病気にかかっているときでは、PGC1αは少量しか見られません。ところが、運動によって負荷がかかるようになると、この物質が増えるのです。そして、人工的にPGC1αを作用させると、運動で鍛えたのと同じような変化が筋肉に見られるようになったそうです。
この働きは、筋肉そのものにだけ見られるものではありません。それぞれの筋肉を動かすために必要な神経も、より活発に働くようになったというのです。
これまでは、筋肉を動かすための神経の発達は、お母さんのお腹の中にいる間に起こることとして考えられていました。ところが、今回の発見でこの常識が覆され、大人になっても神経が発達することが明らかになったのです。
この発見は、今後、筋萎縮性側索硬化症(ALS)や筋無力症などの患者さんの治療にも役立てられる可能性が大きいそうです。大人になっても、筋肉や神経は進化し続ける…。運動する意欲が湧いてきますね。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
Morphological and functional remodelling of the neuromuscular junction by skeletal muscle PGC-1α
http://www.nature.com/ncomms/2014/140401/
Sport Makes Muscles and Nerves Fit
http://unibas.ch/