医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医療 > 京大 ヒト多能性幹細胞の新培養法を開発

京大 ヒト多能性幹細胞の新培養法を開発

読了時間:約 58秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2014年05月09日 PM05:10

新しい三次元培養法

京都大学は4月25日、ヒト多能性幹細胞(ES/)の新しい三次元培養法の開発に成功したことを発表した。


(画像はプレスリリースより)

これは、物質-細胞統合システム拠点(iCeMS=アイセムス)設立拠点長・再生医科学研究所教授の中辻憲夫氏の研究グループと、2010年度から進めてきたNEDOプロジェクトにおける日産化学工業株式会社との共同研究による成果で、アメリカの科学誌「ステム・セル・リポーツ(Stem Cell Reports)」電子版に掲載される。

2種類の高分子ポリマーを添加

開発された培養方法は、メッシュフィルターを用いた機械的処理による細胞株の継代法を確立したもの。培養液中に高分子ポリマーであるメチルセルロースを添加することで、細胞塊の大きさを均一にすることに成功。また、別の高分子ポリマーであるジェランガムを添加することで、撹拌することなく浮遊させることを可能としたという。

この方法を用いることにより、多能性幹細胞を効率的に増殖生産するシステムの開発が可能なことが実証されている。プレスリリースでは

細胞品質管理の向上や細胞調製コストの低減を達成できる幹細胞および分化細胞の大量生産システムの開発は必須です。今回の研究成果はまさに、そのための基幹技術として活用することができると考えています。(京都大学 プレスリリースより引用)

と述べられている。(小林 周)

▼外部リンク

京都大学 プレスリリース
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2014/

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医療

  • 加齢による認知機能低下、ミノサイクリンで予防の可能性-都医学研ほか
  • EBV感染、CAEBV対象ルキソリチニブの医師主導治験で22%完全奏効-科学大ほか
  • 若年層のHTLV-1性感染症例、短い潜伏期間で眼疾患発症-科学大ほか
  • ロボット手術による直腸がん手術、射精・性交機能に対し有益と判明-横浜市大
  • 前立腺がん、治療決定時SDMが患者の治療後「後悔」低減に関連-北大