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ヤンセンが肝炎に関する調査を実施 日本の肝炎ウイルス検査や治療対策の課題が浮き彫りに

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2014年05月02日 PM12:30

約15,000人が回答した大規模調査

ヤンセンファーマ株式会社は4月23日、肝炎の「検査、治療、医療現場の現状」に関するメディアセミナーを実施した。このセミナーでは、同社が実施した「肝炎ウイルス約15,000人の全国意識調査」の結果とそこから浮かび上がった日本における肝炎ウイルス検査ならびに治療の問題点が解説された。

同社 政府機関・医療政策 日本担当 シニアディレクターのブルースJ.エルズワース氏は、今回の調査の意義について、以下のようにコメントした。「日本の肝炎ウイルス検査や治療対策は、先進的な成功例ですが、課題が残っています。肝炎ウイルス検査をどのぐらいの方が受けているのか、はっきりとしたデータがこれまでありませんでした。どのような改善ができるのか調べるため、今回の調査を実施しました」


ヤンセンファーマ株式会社
政府機関・医療政策 日本担当 シニアディレクター
ブルースJ.エルズワース氏

肝炎検査と認識して検査を受けたのはわずか24%

対象となった一般生活者15,003名に対し、これまでに肝炎ウイルス検査を受けたことがあるかを尋ねたところ、半数を超える53%が「検査を受けていない」と回答。さらに23%が「検査を受けた」ものの、事後にその事を知ったと回答。事前から理解して肝炎検査を受けたのは全体の4人に1人にとどまっていたことが分かった。

さらに検査を受けた場所について聞いたところ、49%は検査を受けたことがあるにもかかわらずどこで受けたか覚えていないことが分かった。また、26%は、定期健康診断や人間ドックで検査を受けており、「肝炎ウイルス検査を受ける目的で訪れた医療機関等」で検査を受けた人はわずか9%だった。これらの結果から、無料で検査が受けられるにもかかわらず、肝炎検査のために病院や保健所へ行くところまでは、重要性を感じていないことが明らかになった。

また、肝炎ウイルスの無料検査制度の存在を知っている人は全体の13%しかいなかった。さらに治療において、公費補助制度があることを知っている人は、わずか10%に過ぎないという結果も明らかとなった。これら制度の認知不足により、金銭的な理由から検査、治療に積極的になれない人がいる可能性があるという。エルズワース氏は「世界で例がないような補助制度があるのに、国民がその存在を知らないのはもったいないと思います」と語った。

望まれる公的な周知、啓発活動とフォローアップ制度の成立

今回の調査では、この無料検査制度と治療の公費補助制度に関する周知、啓発活動の重要性についても質問が行われた。その結果、無料検査制度の周知啓発活動が「とても重要で、強化すべきだと思う」または「重要だと思う」と答えた人は、全体で85%に達した。治療の公費補助制度について同様の質問をしたところ、こちらも83%が「とても重要で、強化すべきだと思う」または「重要だと思う」と回答した。

また、都道府県が策定する肝炎対策計画に基づいて肝炎ウイルスに関する国民の正しい理解の促進に向けて実施する取り組みについて、「とても重要で、強化するべきだと思う」「重要だと思う」と回答した人は全体の87%、肝炎ウイルスの感染が疑われる人へのフォローアップに関する行政の取り組みについても「とても重要で、強化するべきだと思う」「重要だと思う」と答えた人は全体の85%にのぼった。

各都道府県には、肝炎対策計画を作成することが平成21年に成立した肝炎対策基本法によって求められているが、およそ半数の都道府県ではがん対策の一部として盛り込まれ、わずかに触れられているにとどまるという。エルズワース氏は「今回の調査から多くの国民は、肝炎対策に特化した計画を作り、それに基づいた活動を強化していくことを望んでいる人が多いということが分かりました。なかでも陽性の可能性があると分かった方を専門医にかかってもらうためにフォローアップしていくことが重要になります。このフォローアップが多くの都道府県で行われることが望まれます」とまとめた。

日本の肝炎ウイルス検査ならびに治療に対する公的補助は、世界でも類を見ない先進的な取り組みとして、世界から評価されている。しかし、この制度が国民に対し、十分に浸透していないことが今回の調査によって明確に示されたと言える。いかにこれら制度の周知を図るかが、日本における肝炎対策の今後を左右するキモと言えるだろう。(

▼外部リンク

ヤンセンファーマ株式会社 プレスリリース
http://www.janssen.co.jp/public/rls/news/

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