医師ニーズの高い項目を追加
日立化成株式会社は4月21日、アレルギー診断薬の新製品となる「マストイムノシステムズIII」の発売を開始した。昨今のアレルギー疾患の罹患率上昇、ひろがる食物アレルギーの深刻な状況を背景に開発したほか、医師からの検査要望が高い食物系5検査項目を追加したという。
同社では、1989年からアレルギー疾患用の体外診断薬販売を行っている。2008年に製造を開始した「マストイムノシステムズII-S」は、食物系、花粉系、環境関連など、アレルギー原因物質である免疫グロブリンのひとつ、特異的IgEの計33項目を1度に測定できる。再検査分を含めても血清0.5mLというわずかな血液で測定が可能であるなど、利便性も高く、医療現場のアレルギー診断補助に活用されている。
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今回発売を開始した「マストイムノシステムズIII」では、この15年間における食物アレルギー患者の急増、およびアナフィラキシーの際の事故が多発していることなどを背景に、食物系にあたるオボムコイド、バナナ、キウイ、ゴマ、豚肉の5項目を追加。新たな同時多項目アレルゲン特異的IgE抗体測定試薬となっている。
患者も気づいていなかったアレルギー原因の発見にも
要望の高かった5項目の追加により、マストイムノシステムズIIIでは、食物アレルギーにおいてその症例数が多い、または症状が重篤であり生命に係る危険性の高い特定原材料7品目とされているすべてについて、測定が可能となった。
この7品目を含めた食物アレルゲンのほか、花粉アレルゲン、環境アレルゲンなど、合計33項目のアレルゲンを1度に測定できるため、負担は最小限に抑えながら、患者自身も気づいていなかったアレルギー原因を発見しやすくなっているという。
日立化成は、今後もアレルギー診断薬の開発および販売に注力し、人々のアレルギー対策とQOL向上に寄与していきたいとしている。(紫音 裕)
▼外部リンク
日立化成株式会社 ニュースリリース
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