遺伝子特性陽性の部分集団特定が不可能
英グラクソ・スミスクライン(GSK)は4月2日、非小細胞肺がん(NSCLC)を対象としたMAGE-A3がん免疫療法剤の第3相臨床試験であるMAGRIT試験を中止する決定を発表した。この決定は、MAGE-A3陽性のNSCLC患者のうち、同剤による治療効果が期待できる部分集団(遺伝子特性陽性の部分集団)の特定が不可能なことが明らかになったことをうけて行われたという。
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GSKは、3月20日に主要評価項目の、MEGA-A3陽性集団全体に対する無病生存期間(DFS)と、化学療法を施行しなかったMEGA-A3陽性集団に対する同剤のDFSは、いずれもプラセボ群に対して、有意な延長を示すことができなかったと発表していた。
安全性に関しては独立データモニタリング委員会が、今までのMAGE-A3がん免疫療法剤のプロフィールと同じであることを確認している。
その後、同社は第三の主要評価項目である、遺伝子特性陽性の部分集団に対するDFSを検討するため、MAGRIT試験を継続したという。
第三の主要項目でも評価できず
今回、独立した第三者機関がバイアスを含まず効果を判断できる例数で解析を行ったところ、治療効果が不十分であるため、第三の主要項目を評価することは不可能であったとされる。
安全性に関しては、独立データモニタリング委員会が今までのMAGE-A3がん免疫療法剤のプロフィールと同じであることを確認している。
GSKは、同剤に対して、メラノーマ患者を対象とした第3相試験(DERMA試験)も継続中。MAGE-A3陽性集団全体のDSFにはプラセボ群に対して有意な延長を認められていないが、遺伝子特性陽性の部分集団に対するDFSを検討中であるという。(木村彰男)
▼外部リンク
グラクソスミスクライン プレスリリース
http://glaxosmithkline.co.jp/press/press/