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中央社会保険医療協議会薬価専門部会、薬価算定に「ポイント制」―有用性加算等、加算率を定量化

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2014年04月25日 AM10:06


■北里大・成川准教授が提示

薬価算定における画期性および有用性加算等の加算率を「ポイント制」で定量化した厚生労働科学研究の結果が、23日の中央社会保険医療協議会薬価専門部会で、研究代表者の成川衛氏(北里大学薬学部准教授)から示された。臨床上有用な新規作用機序等の加算要件を細分化し、1ポイント5%の積み上げ制でそれぞれの項目ポイントを合計して算出した結果、現行の加算率と概ね一致することが分かった。厚生労働省は、5月の薬価収載からポイント制を加算率算定の参照用ツールとして活用していく方針だ。

有用性加算等の加算率の定量化は、厚生労働科学研究「薬価算定基準における画期性および有用性加算の加算率の定量的算出法に係る研究」として実施した。これまで類似薬効比較方式の薬価算定で設定された画期性加算、有用性加算には要件と加算率の幅が示されていたが、どれだけ要件を満たして何%の加算率が適用されるか明確なルールはなかった。

そこで、成川氏らは、有用性加算等の加算率の定量化を試みた。2008年度以降に薬価収載された新薬271成分について、有用性加算等を満たしやすい要件、満たしにくい要件を整理。それに基づき要件を細分化し、積み上げできる因子を検討した。

有用性加算等の加算要件である、[1]臨床上有用な新規の作用機序[2]類似薬に比した高い有効性または安全性[3]対象疾病の治療方法の改善[4]製剤工夫による高い医療上の有用性――の項目をそれぞれ細分化し、加算率を「1ポイント5%」の積み上げ制として検討。画期性加算の要件を満たすと判断される場合は、予め基準ポイントとして11ポイント、有用性加算Iの場合は5ポイントが含まれるものとし、加算率の幅を評価するために項目ごとのポイントを積み上げた。

その結果、[1]については「薬理作用発現のための薬剤の作用点(部位)が既収載品目と大きく異なる」(2ポイント)、「標的分子(酵素、受容体等)が既収載品目と異なる」(1ポイント)、「これらいずれかを満たす場合であって、標準的治療法が確立されていない重篤な疾病を適応対象とする」(1ポイント)等の項目に細分化。

[2]は「既存の治療方法では効果が不十分な患者群、あるいは安全性等の理由で既存の治療方法が使用できない患者群で効果が見られる」(1ポイント)、「対象疾病に対する標準的治療法として位置づけられる」(1ポイント)等に細分化。これら全ての合計ポイントに5%を乗じて加算率を算出することとした。

具体例として、有用性加算Iの加算率40%が適用されたC型肝炎治療薬「テラビック錠250mg」に当てはめると、有用性加算Iの基準ポイントが5ポイント、[1]の「薬理作用発現のための薬剤の作用点が既収載品目と大きく異なる」が該当して2ポイント、[2]の「対象疾病に対する標準的治療法として位置づけられる」が該当して1ポイントの合計8ポイントとなり、これに5%を乗じて加算率40%相当と算出した。

成川氏は「個別の新薬の薬価算定において、一様のルールでは考慮しきれない要因がある場合も想定される」と指摘。ポイント制に改良の余地があるとした上で、「どういう根拠で判断し、加算率を決めたのか中医協の公表資料に明記してほしい」と要望した。

また、原価計算方式の営業利益率の補正率もポイント制で算出し、既存治療と比較した新薬の革新性等の程度に応じた補正率を、臨床試験成績、世界初承認等の医薬品から見た評価を行った結果、現行の算定実績と一致した。

厚労省は、今後ポイント制を加算率算定の参照ツールとして活用していく方針で、5月の薬価収載から導入する予定。

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