免疫機能への影響を実証、特許出願と発表
株式会社ユーグレナは4月17日、ユーグレナの特有成分であるパラミロンの継続摂取が免疫バランス調整機能を発揮するとして、4月8日付けで特許を出願したことを明らかにした。
特許出願は、ユーグレナの多糖体である「パラミロン」を8週間継続摂取した場合の免疫機能への影響を検証した、ヒトにおける実証研究に基づいている。
(画像はニュースリリースより)
同社は、食品やバイオ燃料への利用が注目されるユーグレナ(ミドリムシ)を中心とした微細藻類の研究を行い、世界で初めてユーグレナの屋外大量培養を実現。機能性食品や化粧品としての販売を行っている。
疾患発症予防などにつながる可能性、今後に注目集まる
今回発表された内容によると、研究では被験者10人にパラミロン1g/日を8週間継続摂取してもらい、摂取前と摂取8週間後に採血を実施し、その血液を用いて免疫力測定検査を実施したという。すると、血液中のリンパ球で細胞性免疫系のサイトカインIFN−γの増加と、液性免疫系サイトカインIL−4の減少が確認されたという。
この結果は、パラミロンの継続摂取がリンパ球のサイトカイン産生パターンに影響を与え、免疫バランスを調整したことを強く示唆しているとされる。バランスのとれた状態へと導く作用があるとみられることから、一方に偏ることによって発症する疾患を予防できる可能性がある。
この実証研究における結果は、2010年に「Laboratory Animal Science」に掲載された、パラミロンのアトピー性皮膚炎症状改善に関する報告と整合性がとれているといい、今回示された免疫系の調整がアトピー性皮膚炎症状を改善させたメカニズムのひとつであると考えられている。
同社では今後、データの詳細について学会や論文などで適宜報告していくほか、パラミロンの免疫機能に関し、さらなる研究を進めることで、医療分野での活用を視野に、ユーグレナの付加価値向上を目指していきたいとしている。(紫音 裕)
▼外部リンク
株式会社ユーグレナ ニュースリリース
http://www.euglena.jp/news/2014/