■4年制卒、少なくとも85人
今年度で5年目を迎える薬学生による実務実習が5月12日から、全国の保険薬局・病院で実施されるが、その対象者は1万0068人(共用試験合格者)になることが、今年も本紙調査で明らかになった。今回は全ての薬系大学・薬学部が試験を実施した2011年度から3回目になるが、10年度(1万0801人)以降、毎年合格者数が減少。今回は12年度合格者より255人減った。また、合格者のうち4年制学科卒の学生は非公開の1校を除くと85人になることも分かった(表参照)
本紙では、09年度に長期実務実習の前提となる共用試験が実施されて以降、各大学の協力を得て、合格者数を調査し、実務実習対象者数の把握を進めてきた。なお、多くの各大学・薬学部では4月1日以降、それぞれのホームページを通じて、CBT、OSCE合格者数、および最終合格者数などを公表している。
今回、例年通り、各受験者数を含め調査を実施、各受験者数・合格者数・最終合格者数についての回答を求めた結果、74校(学部)のうち9割に当たる67校(学部)から全項目への回答を得ているが、ここではCBT・OSCE合格者数、最終合格者数の結果について示す。
それによると、最終合格者数は1万0068人で前回(1万0323人)に比べ250人余り減少した。10年度試験時をピークに3年連続で減少していることになる。なお、11年度は初めて74校(学部)が出揃った年の試験であり、定員数が増えたにもかかわらず、その年以降、共用試験合格者数が減少している。総受験者数が明らかになっている範囲では、受験者数に対する不合格者数は230人弱だった。その多くは2~3人の不合格者だったが、中には20人、30人を超える不合格者が出ている大学もあった。
合格者数の減少状況を見ると、大学(学部)により異なる。合格者が減少した大学(学部)のうち、20%以上減ったのは徳島文理大香川薬学部(45%減)、北陸大、兵庫医療大、横浜薬大、新潟薬大だった。実数では30人以上減が東北薬科大(49人減)、横浜薬大、徳島文理大(香川)、新潟薬大、東京薬科大、兵庫医療大、日本薬大、東邦大、明治薬大、北陸大(それぞれ30人減)となった。
20%以上増加したのは、国際医療福祉大(58%増)、崇城大、第一薬大、立命館大、熊本大、摂南大(それぞれ24%増)。実数で20人以上増加したのは、国際医療福祉大(60人増)、第一薬大、崇城大、摂南大、立命館大、同志社女子大(それぞれ21人増)だった。
また、4年制学科卒業、修士課程、共用試験を経た後、特例的に受験し合格した学生は少なくとも85人となった。なお、今回調査では4年制併設の29校のうち、非公開とした1校を除く28校から回答を得た。前回調査では未回答未確認の3校を除く27校からの回答で72人だった。
今回、28校のうち合格者がいなかったのは8校、設置主体別に見ると国公立では17校中合格者なしは北大、千葉大、富山大の3校のみで、残る14校では合格者数1~10人までと多様だった。私立では東京理大の10人が最も多く、他はいずれも4人以下となっている。
表:2013年度全国共用試験結果