運動をするときの環境によって、健康への効果に変化が出ることが分かりました。これは、イギリス・コベントリー大学のマイケル・ダンカン教授ら研究チームが行った調査によるもので10歳前後の男の子7人、女の子7人が参加しました。
(この画像はイメージです)
子どもたちに、緑の中を走り抜ける動画を見ながら15分間、サイクリングマシーンをこいでもらった場合、特に視覚的な条件をつけずに15分間、サイクリングマシーンをこいでもらった場合について、運動後の血圧、脈拍、疲労感に違いがあるかどうかを分析しました。
すると、運動後1時間での収縮期血圧は、緑を見ながら運動したときの方が、そうでないときに比べて5%低くなっていました。このことは、心臓血管系の病気を引き起こす、高血圧のリスクが低くなることを意味します。
研究チームは、今回は参加者も少ない実験ではあったものの、さらに追跡を行うことで、自然の中での運動がより健康増進への効果が高くなることを、今後立証できる可能性が高いとしています。
今回は、男女の差は見られなかったとのことですが、年長者にもこの現象が見られるか、男女差や日常活動レベルによる差が出るかなど、引き続きの調査が行われることになるでしょう。
自然に囲まれて過ごすことは、これまでも健康に良いとされてきましたが、緑の美しさを目で楽しむことで、同じ運動でも、効果がますます上がるとは驚きです。もうすぐ新緑がきれいな季節。きれいな空気をしっかり吸い込んで、外で運動をするよう心がけてはいかがでしょうか。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
The Effect of Green Exercise on Blood Pressure, Heart Rate and Mood State in Primary School Children
http://www.mdpi.com/1660-4601/11/4/
Health benefits of ‘green exercise’ for kids shown in new study
http://www.coventry.ac.uk/primary-news/