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厚生労働省医薬食品局安全対策課、ゼプリオンにブルーレター―販売5カ月で21人死亡、因果関係は不明

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2014年04月21日 AM09:54

厚生労働省医薬食品局安全対策課は17日、ヤンセンファーマの統合失調症治療薬「ゼプリオン水懸筋注25mg、50mg、75mg、100mg、150mgシリンジ」(一般名:パリペリドンパルミチン酸エステル持効性懸濁注射液)を使用した患者が昨年11月の販売開始から今月16日までの5カ月で21例に上ったことを受け、過量投与などの注意喚起を求める安全性速報(ブルーレター)を配布し、医療現場に周知するようヤンセンに指示した。

同剤は、ドパミンD2受容体拮抗作用およびセロトニン5-HT2A受容体拮抗作用に基づく中枢神経系の調節により、統合失調症の症状を抑制する。4週間に1回の筋肉注射で効果が持続するのが特徴。昨年11月19日から今月15日までに、推計で約1万0900人が使用している。

用法・用量に関連する使用上の注意の項に、「パリペリドン、リスペリドンでの治療経験がない場合には、一定期間経口剤を投与して治療反応性や忍容性があることを確認した後、両経口剤を併用せずに投与を開始すること」を追記。

他の持続性注射剤からの切り替えに関する記載を「リスペリドン持効性懸濁注射液から本剤への切り替えに当たり、過量投与にならないよう、用法・用量に注意すること」と改めた。

「重要な基本的注意」の項に、「持効性製剤は、精神症状の再発および再燃の予防を目的とする製剤であるため、急激な精神興奮等の治療や複数の抗精神病薬の併用を必要とするような不安定な患者には用いないこと」を追記した。

薬剤との因果関係は不明だが、厚労省は「海外でもこれほど短期間に多数の死亡例が報告されたことはない」とし、ブルーレターの配布を決めた。同剤は持効性製剤で、投与後に少なくとも4カ月は体内に残り、副作用が発生した場合にすぐに薬物を体外に排除する方法がないため、複数の抗精神病薬を併用する不安定な患者への使用や過剰な投与をしないよう注意喚起した。

死亡した21例のうち、詳細な情報提供が許された14例については、肺塞栓や心筋梗塞、肺炎など、死因が判明している症例もあるが、原因が不明の死亡例も報告されている。

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