整形外科医などで構成される世界的なカンファレンスで、コンピューターやテレビの前で過ごす時間が多い子どもたちは、骨密度が低くなるという心配な結果が発表されました。
骨は生まれたときから成長を続け、10代後半から20代前半に、骨量・強さともにピークを迎えるといわれています。骨の成長には、栄養状態が関係しますが、それだけでなく、運動も骨を強くすることに一役買っています。
現在は、栄養状態が悪い子どもたちは、確実に減ってきています。その代わり、コンピューターなどの普及によって、このところ急速に進んでいる運動量の低下は、子どもたちの骨の発達や肥満に、影響を及ぼしはじめているのです。
ノルウェー日常生活については、週末に何時間をテレビやコンピューターに向かって過ごすか、そして何時間身体を動かしたり、レジャーに費やしたりしているかを答えてもらいました。
すると、テレビやコンピューターに向かっている時間が長いほど、男の子では骨密度が低く、BMI値が高く肥満の傾向にあることが分かりました。反対に女の子では、週末に4~6時間を過ごしている子の方が、1.5時間未満という子よりも骨密度が高くなっていました。男の子と女の子を比べると、コンピューターやテレビに向かっている平均時間は、男の子の方が長かったそうです。
今回の調査では、女の子の骨密度にはむしろ、メリットがあるような印象になりましたが、調査の全体像からは、長時間をスクリーンの前で過ごし、その結果運動量が低下することは、育ち盛りの子どもたちには望ましくない、という解釈となっている模様。このため、「女の子にはメリットがある」という形ではなく、「男の子は要注意」という形での発表となっています。
栄養の整った食生活を送り、適度に身体を動かすことが、身体作りの基本であることには変わりがありませんね。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
Does too much time at the computer lead to lower bone mineral density in adolescents?
http://www.osteofound.org/news/