悪性腫瘍の発生頻度が上昇
長崎大学は4月9日、医学部・病理学の下川功教授、千葉卓哉准教授(現在は早稲田大学人間科学学術院 早稲田大学応用脳科学研究所 教授)のグループが、ニューロペプチドY(NPY)が食事制限による寿命延長効果・抗老化作用に関し重要な役割を果たしていることを明らかにしたと発表した。
(画像はプレスリリースより)
研究グループは、NPY遺伝子を欠損したマウスに対してカロリー制限を行っても寿命が延長しないことを明らかにした。さらに死因を解析した結果、NPY遺伝子欠損マウスは、カロリー制限を行っているにもかかわらず、悪性腫瘍の発生頻度が上昇していることが認められたという。
一方で摂食行動やエネルギー代謝に異常は認められないことから、カロリー制限による寿命延長効果・抗老化作用には、NPYが必須であることを見いだしたとしている。
薬やサプリメント開発に期待
自由に食べることができる量を30%程度減らすことで寿命が延長することは認められているものの、その分子機序はこれまで明らかではなかった。プレスリリースでは
これらの研究成果から、NPY量増加を促す薬やサプリメントを開発することは、老化に伴って発症率が増加する様々な疾患の治療薬になると期待されます。(長崎大学 プレスリリースより引用)
と述べられている。(小林 周)
▼外部リンク
長崎大学 プレスリリース
http://www.nagasaki-u.ac.jp/ja/about/info/science/