マンガに代表されるイラストは、慢性の病気を抱えた人たちが、病気と一緒に生きていくための心構えを作ることを助ける、という報告がイギリスのサウサンプトン大学の研究チームから発表されました。
(この画像はイメージです FreeDigitalPhotos.net by Grant Cochrane)
慢性の病気は、治すことよりも病気と仲良く暮らしていくことが必要になることが往々にしてあります。これまでもユーモアのセンスはごく自然に、そしてかなり頻繁に慢性の病気を抱える人たちの力になってきました。
今回の調査は、患者さんの声がふんだんに取り込まれた点も、かつて見られなかった成果を引き出したようです。イラストの作成に関しては、慢性の病気を抱えた患者さんから、病気について疑問に感じること、不安に感じること、問題だと感じることなどを説明してもらいました。
その結果を受けて作られたイラストは小冊子にまとめられ、慢性の腎臓病を抱える患者さんに配布されました。そして、実際に冊子を見た感想を集めました。
すると、イラストを目にしたことで、様々な感情が起こることが分かりました。おもしろいと感じたり、再認識したり、反抗的な気持ちになったり、行動を起こすきっかけになったり…。総体的に見て、イラストを通じて、これまで理解できなかったことが理解できた人が多かったようです。
研究チームでは、イラストを見てわき起こる感情は、自分の病気に関して持っている感情であることも多く、その感情とどのように向かい合うかということが、理解を深め日常生活で必要な健康管理を実践する役に立つとしています。
実際に慢性病患者さんの健康教育に用いるためには、今後も色々と工夫していく必要があるとのことです。慢性病を抱える人が、よりしっかりと病気とつきあえるよう、実用化が出来ると良いですね。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
Developing cartoons for long-term condition self-management information
http://www.biomedcentral.com/1472-6963/14/60
Is laughter the best medicine? Cartoons could help patients cope with their chronic conditions
http://www.southampton.ac.uk/mediacentre/2014/