3か所すべての異常で非常に高リスク
東北大学は4月8日、同大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科学分野/代謝疾患医学コアセンターの片桐秀樹教授らのグループが、2型糖尿病に高頻度に認められるゲノム構造多型を新たに2か所発見したことを発表した。
(画像はプレスリリースより)
また研究グループは、2011年に糖尿病と関連している別の部位のゲノム構造異常を報告しており、この別の部位のゲノム構造異常と、今回の研究で見いだされた2か所とあわせた3か所すべてに異常を持った場合、糖尿病になるリスクが非常に高いことを明らかにした。
健常対照者では 100例中1例も存在せず
糖尿病は、家族内での発症が多いことから遺伝因子も大きく関わることが知られている。しかし、これまでに行われた研究では、発症リスクが最大でも1.4倍程度と低い一塩基遺伝子多型しか発見されておらず、「糖尿病体質」を説明する決め手に欠けていた。
今回の発見によって明らかになったゲノム構造異常が3カ所とも認められた者は、糖尿病群では 100例中11例であったのに対し、健常対照者では 100例中1例も存在しなかったという。この結果から、 2型糖尿病患者の血縁者などにゲノム解析をすることで、発症や病態、予後の予測につながると考えられる。
この検査法についての特許出願もされており、プレスリリースでは
遺伝的ハイリスク者であっても、発症前からの生活習慣への介入により発症を防ぐことも可能であり、糖尿病患者数減少にもつなげることができるものと期待されます。(東北大学 プレスリリースより引用)
と述べられている。(小林 周)
▼外部リンク
東北大学 プレスリリース
http://www.med.tohoku.ac.jp/uploads/tohokuuniv-press_20140408