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日本漢方生薬製剤協会、薬用植物の国内栽培マッチング―全国45団体で今春にも試作

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2014年04月16日 AM09:57

漢方薬の原料となる薬用植物の国内栽培化に向け、農家と漢方薬メーカーのマッチングが加速している。全国137団体から生薬の国内栽培に関する要望書が集まり、45団体で漢方薬メーカーとの協議がスタートした。地域に偏りなくほぼ日本全土で栽培化の動きが進んでおり、薬用植物の種類によっては今春にも試作を実施するところもありそうだ。日本漢方生薬製剤協会では今後、種苗の確保や栽培技術の確立など基盤づくりに取り組み、国内で生産量拡大を目指していく。

薬用植物をめぐっては、国産生薬が264品目中97品目に限られており、安定供給に問題を抱えているのが現状。こうした課題を解消し、国内での栽培を活性化させるため、厚生労働省、農林水産省、日漢協の3者は昨年8~9月、産地側と実需側が初めて意見交換を行う場として、全国8カ所でブロック会議を実施した。

ブロック会議では、まず日漢協が栽培してほしい薬用植物の品目リストを提示。生産者側からは、「栽培した場合にどの程度コストがかかって、どの程度の金額で買ってもらえるか教えてほしい」「生薬を生産した経験はないが、漢方薬メーカーがどこまで支援してくれるのか」など、関心の高さから具体的な成果や支援内容に関する質問が飛んだ。

これに対し日漢協では、「種苗の調達、栽培技術・コスト、売り先、販売価格などの様々な課題があり、一緒に苦労しないといけない」と薬用植物の栽培が難しい事情を説明。生産者と実需者の認識に隔たりがあり、ある地域では生産者側から「情報が足りなすぎる」との声も上がったという。

日漢協生薬委員会の浅間宏志委員長は、初めて実施したブロック会議について、「生薬栽培に関してお互いが情報不足だということが分かった。課題を浮き彫りにできたことは、マッチングを開始する上で収穫が大きい。少しずつ温度差を埋めていきたい」と手応えを語る。

ブロック会議終了後に、日漢協がどの品目で栽培するかの要望書を募ったところ、11月末の締め切りで全国都道府県の7~8割の地域から計137件の要望が集まった。要望書を出した団体は、県や市町村、全国農業共同組合連合会、農業法人、個人、民間法人など様々だった。

要望書の内容については、▽栽培経験はないが、栽培していきたい▽以前に栽培経験があり、具体的な品目名を挙げて栽培したい▽現在栽培している品目があり、「収量を拡大したい、品質を高めたい」――などバラツキが見られた。「栽培する予定はないが、情報だけ欲しい」との要望もあったという。

137件のうち、45件が日漢協会員社との折衝に進んでいる。各品目でのマッチングの状況は明らかにしていない。

試作の開始時期は、品目によって春と秋で分かれるが、早ければ今春にも開始する地域もある。既に薬用植物の栽培を実施している産地については、日漢協会員社が各品目のサンプルを受領・分析した上で、その後の栽培の方向性を検討していく。

次回のブロック会議は、「春と秋に行われる試作の結果を見て判断する必要がある」として、現段階では未定。昨年11月の要望書締め切り後も問い合わせが続いており、「マッチングの仕組みを評価し、ブロック会議が現状のままでいいのかを判断したい」(浅間氏)との方針だ。

農水省では「薬用作物等地域特産作物産地確立支援事業」として、今年度に4億円の予算を計上しており、配分先を選定中。浅間氏は「試作から本格栽培、その後の検証まで事例を集積し、国内栽培の仕組みをつくっていきたい」と意欲を示す。

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