医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医療 > 京大 筋肉と脂肪のハイブリッド細胞が生成されない仕組みを解明

京大 筋肉と脂肪のハイブリッド細胞が生成されない仕組みを解明

読了時間:約 1分7秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2014年04月15日 AM06:00

排他的に分化が起こる仕組みを解明

京都大学は4月4日、筋分化と脂肪分化が排他的に行われる仕組みを解明したことを発表した。この研究成果は、生命科学研究科の西田栄介教授、砂留一範博士研究員らによるもので、米科学誌「Molecular Cell」に掲載された。

(画像はプレスリリースより)

同研究グループは、筋分化のマスター制御因子MyoDと、脂肪分化のマスター制御因子であるPPARγが拮抗的に作用することにより、筋肉細胞と脂肪細胞の両方の特徴を併せ持つハイブリッド細胞の生成が細胞自律的に抑制されていることを見いだしたとされる。

さらに、MyoDとPPARγはそれぞれ互いの分化プログラムを、異なるメカニズムを介して抑制していることを明らかにしたという。

肥満や再生医療などの治療応用に期待

筋肉細胞と脂肪細胞は発生的には近縁の細胞でありながら、全く異なる性質を持っている。分化過程において細胞の運命は排他的に決定され、個性が維持されることがわかっていたが、その仕組みは明らかにされていなかった。

プレスリリースではこの研究について

細胞の個性を維持するメカニズムに重要な知見を与えるものであり、肥満や、再生医療などの治療応用が期待されます。(京都大学 プレスリリースより引用)

と述べられている。(小林 周)

▼外部リンク

京都大学 プレスリリース
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2013_1/

Antagonism between the Master Regulators of Differentiation Ensures the Discreteness and Robustness of Cell Fates
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/

このエントリーをはてなブックマークに追加
TimeLine: ,
 

同じカテゴリーの記事 医療

  • 「働きすぎの医師」を精神運動覚醒テストにより評価する新手法を確立-順大ほか
  • 自己免疫疾患の発症、病原性CD4 T細胞に発現のマイクロRNAが関与-NIBIOHNほか
  • 重症薬疹のTEN、空間プロテオミクス解析でJAK阻害剤が有効と判明-新潟大ほか
  • トリプルネガティブ乳がん、新規治療標的分子ZCCHC24を同定-科学大ほか
  • トイレは「ふた閉め洗浄」でもエアロゾルは漏れる、その飛距離が判明-産総研ほか