たんぱく質の一種であるSIRT7
熊本大学は4月2日、同大学大学院生命科学研究部(医学系)の山懸和也教授と吉澤達也講師らが、脂肪肝・肥満の憎悪因子「SIRT7」を発見し、そのメカニズムについて解明したと発表した。
(画像はプレスリリースより)
SIRT7は、加齢やストレス、代謝などを抑制するサーチュインと呼ばれるたんぱく質の一種。山懸教授・吉澤講師らは、このSIRT7遺伝子をなくしたマウスに高脂肪食を与え続けると、通常のマウスに比べて肥満や糖尿病の程度が軽度であること、脂肪肝が明らかに抑制されることを見いだしたという。
また、SIRT7が機能しないマウスにおいては、肝細胞の脂肪の取り込みや貯蔵を制御している転写因子であるTR4のタンパク質量低下により、脂肪肝が起こりにくくなっているという新規の分子メカニズムも解明したとしている。
効果的な新薬開発へ
超高齢化社会を迎えて、代謝異常症が引き起こされる原因や仕組みを解明することは、医学的・社会的に重要な問題である。しかし、その分子機構については不明な点が多く残されており、今回の研究成果についてプレスリリースでは
今回の研究成果から、SIRT7の働きを抑制することが、脂肪肝や肥満・糖尿病の効果的な新しい治療薬の開発につながるものと期待されます。(熊本大学 プレスリリースより引用)
と述べられている。(小林 周)
▼外部リンク
熊本大学 プレスリリース
http://www.kumamoto-u.ac.jp/daigakujouhou/kouhou/press