横浜市の山口医院でアトピー性皮膚炎に処方
神奈川県横浜市都筑区の山口医院が、アトピー性皮膚炎に処方していた「漢方クリーム」で、説明とは異なり、ステロイドが混入していたことが判明した。4月4日、病院側が対応方針などについて説明するとともにこれまでの経緯を明らかにし、謝罪のために患者説明会を開催した。
今回、ステロイドが入っていないと説明していたにもかかわらず、実際にはステロイドが混入していることが判明したのは、山口医院がアトピー性皮膚炎患者に対し、1番、2番という案内で処方していた外用剤。使用による副作用の恐れがあるため、消費者庁リコール情報サイトでも、対象のクリームを使用している患者に対し、皮膚科を受診するよう案内している。
(画像はwikiメディアより引用 Author : James Heilman, MD)
設備清掃の不備でクロベタゾールプロピオン酸エステルが混入
山口医院の発表によると、処方していた「漢方クリーム」は、中国中医研究開発公司に製造を委託していたもので、ステロイドが混入しているのではないかとの指摘を受けたことから、同医院が調査を依頼したところ、設備の清掃に不備があったため、平成25年出荷分の外用剤について、同じ設備で製造していた他の製薬会社向けステロイド製剤が混入した可能性があるとの回答を得たという。
混入していたのはクロベタゾールプロピオン酸エステルで、ステロイドのなかでも1群に分類されているもの。湿疹に対して効果がある一方で、細菌などの皮膚感染症に対しては使用禁忌となっている。皮膚萎縮や緑内障などの副作用の恐れもあり、注意が必要だ。
山口医院では今回の事態を重く受け止め、今後この中国中医研究開発公司から供給を受ける製品について、「漢方クリーム」以外のこれまで提供してきた全ての外用剤も含め、取り扱いの中止を決定。引き続き原因究明と再発防止に努めていくとしている。(紫音 裕)
▼外部リンク
山口医院 お詫びとお知らせ
http://www.tsuzuki-ku.jp/yamaguchiiin/
消費者庁リコール情報サイト 該当情報
http://www.recall.go.jp/all_ages/